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2020年12月7日月曜日

新しくなった VMware Tools のサポートポリシーとダウンロード方法

※ 本投稿は先日の "vSphere クラスタの鉄板構成・サイジングのポイント 2021 年版"  から VMware Tools の項を抜粋しております。

VMware Tools のサポート状況の確認方法

従来は vSphere ESXi や Workstation などにバンドルされる VMware Tools のバージョンを利用して、母艦のサポートライフサイクルに合わせて運用される事が多かったと思いますが、
2020年11月より VMware Tools 自体も VMware Product LifeCycle Matrix に明確にサポート期間が掲載されるようになりました。
可能な限りサポート期間中のバージョンで運用しましょう。
2020年12月時点ではバージョン 10.1.x 以降が General Support となります。

サポートされるバージョンの VMware Tools の入手

現在は ESXi に Bundle される前のより新しいバージョンの VMware Tools もどんどん My VMware で提供されています。
それらは以下の URL からリリースノートの情報含めて入手可能なので必要に応じて入手してください。
My VMware からは各ゲスト OS 用のバイナリの他に、ESXi にバンドルされる VMware Tools を更新するための VIB ファイルも用意されています。
Update Manager や LifeCycle Manager を利用する or ESXCLI で ESXi に含まれる VMware Tools を更新する事が可能です。

VMware Tools の公式ドキュメント

公式ドキュメントとして、2020年12月現在 以下の URL にて Ver 10.x 以降のリリースノート、ユーザーガイドが公開されています。

VMware Tools のその他のバイナリ入手先

各バージョンの ESXi に Bundle される VMware Tools は My VMware 以外にも以下のリポジトリからも入手可能です。
それぞれのパッケージがどの vSphere ESXi に対応しているのか、Build 番号含めて確認が以下のリストで可能です。


2020年12月6日日曜日

vSphere クラスタの鉄板構成・サイジングのポイント 2021 年版

 ここ数年、様々なお客様環境のアセスメントを実施して、現状の課題と改善案を説明してきた中で vSphere 仮想化基盤のサイジングに関する考慮点や、性能を最大限かつ安定的に発揮する構成、設計についてディスカッションする機会が多くありました。

vSphere のベストプラクティスを挙げていくとキリがありませんが、それらの中で特にサーバーやストレージの物理のデザインにも関連した内容で頻繁に紹介してきたもの集めてみました。(本投稿の内容は基本的に公式のガイドに沿ったデザインの内容ですが、一部個人の経験に基づく内容もありますのでご了承ください)。

※ 本投稿は vExperts Advent Calendar 2020 の 12/6 分を担当しております。
非常に長文ですが、オンプレミス環境の vSphere クラスタデザインの参考にしていただければ幸いです。

2020年11月30日月曜日

vSAN Ready Node の選び方とカスタマイズ

vSAN Ready Node のカスタマイズについて質問される事が時々あるのですが、まだまだ 「vSAN Ready Node = ガイドに載った構成で導入するもの」という認識が多い様です。
実際は、多くのパーツは性能要件、用途に応じてカスタムする事が出来ますし、各サーバーメーカーの見積もりツールなどでも、Ready Node 型番のモデルから幅広くコンポーネントのカスタムが出来る事がほとんどです。

※ 2023/2/10 ESA に関して追記

※ 今回は2年前の VMware 公式ブログのネタと VMware Japan vSAN 担当 小佐野さんが書いたブログからのアップデート内容を中心に、現時点の情報を整理しておきたいと思います。

最所に結論

vSAN Ready Node のコンポーネントは要件・用途に応じて IO Controller 以外の殆どのコンポーネントは VMware HCL に掲載されているものであれば「変更可能」です。

極端な例では、vSAN Ready Node にこだわらなくても HCL に掲載のあるコンポーネントを組み合わせて Build Your Own で手組で構成を組んだものも vSAN としてサポートされますし、一部のお客様では実際にその様に HCL に掲載されている機器を組み合わせて用途に合わせたスペシャル構成を組む方もいらっしゃいます。

個人的には vSphere Update Manager (vUM) や vSphere Lifecycle Manager (vLCM) の連携を考えると vSAN Ready Node をベースに組んでいただく事を強く推奨します。 
※ 各サーバーメーカーの構成ガイド・見積もりツールや、サポートにより変更可能なコンポーネントは異なりますので詳細はハードウェアメーカーのガイドを参照してください。

2020年10月9日金曜日

vSphere 7.0u1 の vSphere Clustering Service (vCLS) 停止方法

 vSphere 7.0u1 から DRS などのクラスタの管理機能が vCLS (vSphere Cluster Services)  に割り当てられ、クラスタを作成すると自動的に vCLS の vApp が展開されます。

詳細は以下の vSphere Blog を参照ください。
vSphere 7 Update 1 – vSphere Clustering Service (vCLS)
https://blogs.vmware.com/vsphere/2020/09/vsphere-7-update-1-vsphere-clustering-service-vcls.html

DRS を利用しない場合や、Home Lab などでリソースが限られる時には無効にしたいと思いますのでその手順をご紹介します。

2020年10月6日火曜日

SPEC のベンチマーク情報を利用した CPU 世代間性能比較

IT インフラのアセスメントなどの後、次期のサーバー選定時に比較参考となる CPU の世代間・モデル間の性能差がどのくらいあるのかよく聞かれるのですが、
私が良く使う SPEC (Standard Performance Evaluation Corporation) のベンチマークスコアを利用した比較方法をご紹介します。

この方法を10数年前から利用していますが、実際のシステムの移行前後の CPU 利用率でみると割と現実的な数値が確認出来ています。
SPEC からダウンロードした CSV のスコア値を整形し Excel などで簡易のサイジングシートを作る事で比較が容易になります。

私は以下の様な形で Excel シートのプルダウンで CPU のモデルを選ぶとそれぞれのスコア比較を行い、ホスト台数や利用率の前提を式に追加すればクラスタとしてのリソースがどれくらいあるかを可視化する事が出来る様にしています。
※ あくまで私個人の比較用の手法なので公式のサイジング方法ではありません。参考情報としてご活用ください。

2020年9月15日火曜日

vSphere・vSAN 7.0 u1 機能強化・アップデート情報

vSphere を扱っている多くの方は「メジャーバージョンの GA 版はパスして Update1 で」という考えを持っている傾向が強いなと勝手に感じていますが、
2020年3月11日に発表、4月2日に GA された vSphere・vSAN 7.0 から半年経過し 2020年9月15日に 7.0 Update 1 (以下 7.0u1) が発表されました

7.0 GA 時にはvSAN に関しては  File Service など新機能以外にあまりアップデートがありませんでしたが、今回の 7.0u1 では vSphere・vSAN 共に大きな機能強化が発表されました。
本投稿ではそれぞれのアップデートの中で個人的に注目している機能強化をご紹介します。

※ 個人的に気になる機能のみをピックアップしているので各プロダクトの詳細情報は公式ブログも参照願います。
今回の内容です
  • vSphere 7.0 Update 1 の機能強化
    • Tanzu Basic の実装
    • vSphere Clustering Services (vCLS)
    • vSphere Life Cycle Manager の強化
    • vSphere スケーラビリティ
    • vSphere Ideas 連携
    • その他の vSphere 7.0 u1 のアップデート
  • vSAN 7.0 Update 1 の機能強化
    • Cloud Native / Container 向け機能強化
      • vSAN Data Persistence platform (DPp) と vSAN Direct Configuration
    • HCI Mesh (vSAN クラスタ間のデータストア共有)
    • Compression-Only 圧縮のみの容量削減モード
    • Shared Witness Appliance
    • 余剰領域の削減 (Slack Space 必要量の削減)
    • 容量管理の簡素化
    • 継続的な性能改善(vSAN 6.7u3 比で 30% 向上)
    • メンテナンスモード中の耐久性の強化
    • ホスト再起動時の高速化
    • vSAN File Service SMB の実装
    • その他の vSAN 7.0 u1 のアップデート
※ 今回書いていない機能も多数ありますので公式情報をぜひご覧ください。

2020年9月9日水曜日

新しい vSAN Ready Node Sizer の効果的な利用方法

先月末に vSAN Ready Node Sizer の効果的な利用方法 という記事を投稿した4日後(2020年9月4日)に vSAN Ready Node Sizer (以下 vSAN Sizer) の UI や操作方法が刷新されてしまったので、改めて利用方法をまとめました。
※ 前回記事と被る内容が多数ありますがご了承ください
※ 2020年10月に vSAN 7.0u1 に対応したアップデートも vSAN Ready Node Sizer に組み込まれました。

vSAN のハードウェア構成を考える際の BestPractice 的なポイントやアセスメントについては以前書いた以下にまとめているので、今回の vSAN Sizer で組むべき構成もこちらをベースにしています。

今回の内容です。

2020年8月31日月曜日

vSAN Ready Node Sizer の効果的な利用方法

※ 2020/9/9 更新 : vSAN Sizer のデザインが新しくなったため本投稿は「Old vSAN Ready Node Sizer」に画面を切り替えた際の操作ガイドとなります。
新しい画面の操作ガイドは 新しい vSAN Ready Node Sizer の効果的な利用方法 を参照してください。

vSAN を導入する際に構成選定やサイジングに利用するツールがいくつかありますが、周りから聞こえてくる声で「使い方がイマイチわからない」「想定している構成・サイジングが出来ない」など悩みを良く聞くので、今回は vSAN Ready Node Sizer (以下 vSAN Sizer) の私なりの使い方をご紹介します。

vSAN のハードウェア構成を考える際の BestPractice 的なポイントは以前書いた以下にまとめているので、今回の vSAN Sizer で組むべき構成もこちらをベースにしています。
また、vSAN に限らずサイジングする際には現状のリソースの利用状況を把握する事は重要なので、アセスメントに関しても検討してください。
vSAN Sizer は LiveOptics や RVTools で取得したデータを取り込んでより現実的なサイジングが可能なのでアセスメントはなるべくするようにしてください。

今回の内容です。

2020年7月31日金曜日

vRealize Operations の標準ダッシュボードを削除してしまった際の復元方法

vRealize Operations Manager のダッシュボードを編集する際、ボーっとして操作すると「ダッシュボードの削除」を間違って押してしまいダッシュボードが vROps 無いから削除されてしまう事があります...
何で「ダッシュボードの削除」ボタンが上から2番目という押しやすい場所にあるのかは謎です...

ダッシュボードそのものを"削除"してしまった場合

ダッシュボードを開いた状態で「アクション」 > 「ダッシュボードの削除」を選ぶと、ダッシュボードそのものが消し去られます。
ダッシュボードタブから非表示にしたい場合は「メニューからダッシュボードを削除」を選択する必要がありますが、似た操作名でインパクトのあるものが上にあるので操作する際は気を付ける必要があります。

vRealize Operations の標準ダッシュボードで「ダッシュボード時間」の切り替えを有効にする方法

検証環境の vRealize Operations Manager の 7.x から 8.x にバージョンアップした際に気になった事でした、各ダッシュボードの右上にある「ダッシュボード時間」の切り替えがグレーアウトしている事象があります。
デモ用環境なのでコロナ禍で出番無くずっと放置していましたが、今回はその修正方法を覚え書きしておきます

2020年6月20日土曜日

VMware 技術情報で便利な公式まとめサイト集

一昨年頃からいろいろと VMware 関連の情報ページが再編・新設されており、有益なものは都度記事にまとめてましたが、改めてベストプラクティス系の資料が集まったサイトを整理したいと思います。
※ 昨年から今年にかけてまとめた記事、ダブった内容もありますが結構書いてました。
これらサイトの中身、全部目を通す必要は全くありませんが、どこにどんなコンテンツがあるのか見出しだけでも眺めておくと今後業務で必要になった際に素早く情報にたどり着けますので参考にしていただけると幸いです。

2020年6月15日月曜日

ESXi 6.x 以降でシステムリソースの予約値を変更する方法

vSphere 5.5 (ESXi 5.5) までは vSphere Client で値の変更が出来たシステムリソース(ESXi Kernel のリソース)の予約値ですが、vSphere 6.0 以降では変更が出来なくなってしまいました。
あえて修正しなくてもベストな値が自動で反映されているので通常は修正する必要はありませんが、各 ESXi 毎に予めシステムリソースの予約値を多めに確保しておきたい場合や、ホームラボ用途で予約値を減らしたいという場合もあるので、本記事では PowerCLI を利用して変更する方法を記します。

※ 正式な手順ではないので設定する場合は必ず事前検証、場合によっては各メーカーサポートへの確認を行ってください。変更すると公式サポートが受けられない可能性があります。
※ あと、だいぶ前に見た KB で今見つからなかったのですが、vSphere のバージョンアップ時などに設定がリセットされる事象があったのでもしかしたら今のバージョンでも元に戻る仕様かもしれません。

本記事は LucD さんの VMTN での助言をベースにしています。

システムリソースの予約値とは?

システムリソースの予約とは、ESXi が動作するために最低限確保している CPU とメモリのリソース予約値で vSphere Client からホストを選択し、設定 > システム > システムリソースの予約 を開く事で確認できます。


このシステムリソースの予約、vSphere 5.5 までは vSphere Client の画面上にて編集する事が可能でしたが、vSphere 6.0 以降では vSphere Client では編集が出来ません(上記画面上で編集ボタンがそもそもない)。
※ これは設定に応じて適切な値が自動で予約されており、意図的にリソースを減らされて ESXi Kernel が不安定になる事を防止するために変更されたものと思われます。

今回はこの値を PowerCLI を利用して変更する方法をご紹介します。

2020年6月12日金曜日

ストレージ性能設計・検証のすすめ② : ストレージの性能を考慮した vSAN ハードウェア構成の組み方

昨年末に書いた vSAN 性能検証の記事の続きで、本当はもっと早めに投稿したかったのですが色々な調整でなかなか纏められずにいた記事です。

本記事で書いている内容は先日の VMware 公式ブログでも紹介があった vSAN を構成するハードウェアに観点を置いた内容となります。
個人的なサイジングの考えが前提だったので、今まではパートナー様やお客様向けの勉強会で紹介していた内容ですが、公式側でも同様の見解でアナウンスが出たので公開する事にしました。


本記事は長文でダラダラと書いていますが、シンプルに本記事で伝えたい事をまとめると、All Flash 構成で大容量の SATA を組み込むときは SATA の特性を理解して欲しい、All Flash vSAN だからって油断して少数の大容量 SATA SSDで組んでしまうと性能が出ない時もあるから注意して欲しい、という内容になります。
「vSAN で思ったような性能が出ないじゃん!」となってしまう前に、本来のハードウェアとしてのサーバー構成の考慮点や、vSAN としてハードウェア性能を最大限に引き出すポイントをご紹介します。

2020年5月18日月曜日

PowerShell 5.1 環境で PowerCLI のインストールエラーが出た時の対処方法 ②(TLS バージョン問題での Install-Module や Register-PSRepository のエラー対応)

先日投稿した PowerShellGet と PackageManagement を新しいものに置き換えることで解決した PowerCLI のインストールできない問題、
調べていたら PowerShell Gallery が 4月から TLS 1.0 / TLS 1.1での接続が不可となり TLS 1.2 が必須となっていたことが原因だったようです。
詳細は以下の Microsoft の公式アナウンスを参照ください。


PowerShell Gallery TLS Support
https://devblogs.microsoft.com/powershell/powershell-gallery-tls-support/

ワークアラウンドとして適用した PowerShellGet 2.2.4.x から TLS 1.2 が強制されるようになっていたのでエラーが回避できた様です。

PowerShell で TLS 1.2 を強制することでの回避方法

先日の環境の PowerShellGet と PackageManagement をそれぞれ初期バージョンの 1.0.0.1 に戻して、TLS 1.2 を強制することで問題が回避できるか確認しました。

※ 公式手順が MS Blog にありましたのでリンクを追記します (2022/11/03)

# 最初に PowershellGet などのバージョンを確認
PS C:\> Get-Module PackageManagement,PowershellGet -list | Select-Object Name,Version,Path

Name              Version Path
----              ------- ----
PackageManagement 1.0.0.1 C:\Program Files\WindowsPowerShell\Modules\PackageManagement\1.0.0.1\PackageManagement.psd1
PowerShellGet     1.0.0.1 C:\Program Files\WindowsPowerShell\Modules\PowerShellGet\1.0.0.1\PowerShellGet.psd1


# この状態で PowerShell Gallery から PowerCLI を見つけることができるか確認

PS C:\> Find-Module -Name VMware.PowerCLI
警告: Unable to resolve package source 'https://www.powershellgallery.com/api/v2'.
PackageManagement\Find-Package : 指定された検索条件とパッケージ名 'VMware.PowerCLI' と一致するものが見つかりませんでした。
登録されている使用発生場所 C:\Program Files\WindowsPowerShell\Modules\PowerShellGet\1.0.0.1\PSModule.psm1:1360 文字:3
+         PackageManagement\Find-Package @PSBoundParameters | Microsoft ...
+         ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    + CategoryInfo          : ObjectNotFound: (Microsoft.Power...ets.FindPackage:FindPackage) [Find-Package], Exception
    + FullyQualifiedErrorId : NoMatchFoundForCriteria,Microsoft.PowerShell.PackageManagement.Cmdlets.FindPackage

# エラーになったのでプロトコルを確認

PS C:\> [Net.ServicePointManager]::SecurityProtocol
Ssl3, Tls

# Microsoft の公式ブログにもある手順で TLS 1.2 を設定

PS C:\> [Net.ServicePointManager]::SecurityProtocol = [Net.SecurityProtocolType]::Tls12

# TLS 1.2 が指定されたことを確認

PS C:\> [Net.ServicePointManager]::SecurityProtocol
Tls12

# もう一度 Find-Module で PowerCLI が見つかるか確認

PS C:\> Find-Module -Name VMware.PowerCLI

Version    Name                                Repository           Description
-------    ----                                ----------           -----------
12.0.0.... VMware.PowerCLI                     PSGallery            This Windows PowerShell module contains VMware.PowerCLI
 


手順としては非常にシンプルで、

[Net.ServicePointManager]::SecurityProtocol

で現在のプロトロルバージョンを確認し、古いバージョンの指定のままならば

[Net.ServicePointManager]::SecurityProtocol = [Net.SecurityProtocolType]::Tls12

で TLS 1.2 の利用を強制設定すれば今まで通りデフォルトバージョンの PowerShellGet でも PowerCLI のインストール、メンテナンスができました。
セキュリティの観点からも既定値はあらかじめ変えておいたほうが良いかもしれませんね。

また、PowerShellGet 2.2.4.x から TLS 1.2 が強制されるようになっているので、TLS 1.2 を指定したついでにプリインストールされている PowerShellGet も更新してしまうと良いです。

プリインストールされている PowershellGet のアップデート方法


# 現在(プリインストール)の PowerShellGet,PackageManagement のバージョンを確認

PS C:\> Get-Module PowerShellGet,PackageManagement -ListAvailable
    ディレクトリ: C:\Program Files\WindowsPowerShell\Modules
ModuleType Version    Name                                ExportedCommands
---------- -------    ----                                ----------------
Binary     1.0.0.1    PackageManagement                   {Find-Package, Get-Package, Get-PackageProvider, Get-Packa...
Script     1.0.0.1    PowerShellGet                       {Install-Module, Find-Module, Save-Module, Update-Module...}

# PowerShellGet を更新 (プリインストールのものは Update-Module ではなく Install-Module に -AllowClobber オプションを使う)

PS C:\> Install-Module PowerShellGet -AllowClobber -Force

# インストールされたバージョンを確認
# Update-Module ではないので更新さらたバージョンと旧バージョンが両方確認出来る

PS C:\> Get-Module PowerShellGet,PackageManagement -ListAvailable
    ディレクトリ: C:\\Documents\WindowsPowerShell\Modules
ModuleType Version    Name                                ExportedCommand
---------- -------    ----                                ----------------
Script     1.4.8.1    PackageManagement                   {Find-Package, Get-Package, Get-PackageProvider, Get-Packa...
Script     2.2.5      PowerShellGet                       {Find-Command, Find-DSCResource, Find-Module, Find-RoleCap...

    ディレクトリ: C:\Program Files\WindowsPowerShell\Modules
ModuleType Version    Name                                ExportedCommands
---------- -------    ----                                ----------------
Binary     1.0.0.1    PackageManagement                   {Find-Package, Get-Package, Get-PackageProvider, Get-Packa...
Script     1.0.0.1    PowerShellGet                       {Install-Module, Find-Module, Save-Module, Update-Module...}


PowerShellGet が更新できればその後は PowerShell Gallery などへの接続は TLS 1.2 を利用するようになります。


ご参考まで

2020年5月16日土曜日

PowerShell 5.1 環境で PowerCLI のインストールエラーが出た時の対処方法 ①(TLS バージョン問題での Install-Module や Register-PSRepository のエラー対応)

先日、踏み台サーバで利用している PowerCLI のバージョンアップをしようとしたところ Install-Module コマンドが使えず、Register-PSRepository での PowerShellGallery リポジトリの再登録などもエラーとなってしまった際の復旧手順を覚え書きしておきます。

環境

  • Windows Server 2016 Std (10.0.14393)
  • PowerShell Version : 5.1.14393.3471

最終的な対処方法

PowerShell 7.0 (PowerShell Core) をインストールして、そちらで PowerCLI をインストールするか (但し Image Builder など一部は利用できない)、
PowerShellGet と PackageManagement のモジュールをデフォルトの Ver 1.0.0.1 からそれぞれ最新に更新する事で PowerShellGallery の利用が可能に戻りました。

2020/5/18 追記
本事象の根本原因が 4月以降、PowerShell Gallery にて TLS 1.0 / 1.1 での接続を非サポートとし、TLS 1.2 を必須とする変更が入ったことが原因だったようなので、
TLS 1.2 の指定方法などを別記事でまとめました。急ぎ修正する場合は TLS 1.2 を指定して、 Install-Module のオプションで -SkipPublisherCheck を指定することで回避は出来ます。恒久的には TLS1.2 を既定にして、PowerShellGet もアップデートすることが推奨されます。

2020年5月15日金曜日

vRealize Operations Manager の VxRail 用 Plugin を使ってみる

今年(2020年)の初めに VxRail 用の vRealize Operations (以下 vROps) 用 Plugin がリリースされ、ラボ環境の vROps に組み込んでいたのですが、すっかりレポートを忘れていたのでご紹介します。
※ 2020年5月時点の vROps の最新バージョンは 8.1 ですが、画面は vROps 8.0 の時のものです。

vROps 用プラグインの入手

まず、vROps など VMware 製品に機能拡張するためのプラグイン(コンテンツパック)やアドオンツールを公開している Solution Exchange と呼ばれる Marketplace にアクセスします。
https://marketplace.vmware.com/vsx/



様々な VMware 製品に対応する様々なパートナーメーカー製品用の各種ツールが公開されております(ツールによってはそのメーカーのサポートサイトへのリンクだったりします)

例えば今回の様に " VxRail " 用のプラグインを探したければ、検索ボックスに " VxRail " と入力すれば目的のものはすぐに見つかります。

https://marketplace.vmware.com/vsx/search/VxRail



https://marketplace.vmware.com/vsx/solutions/management-pack-for-vxrail-1-0?ref=search

今回の VxRail 用プラグインは DellEMC のサポートサイトからダウンロードされるため、DellEMC 側のサポートサイトのアカウントを保有している事が前提となります。
ダウンロードした Zip ファイルを解凍し、vROps のプラグイン追加画面でアップロードします。

※ プラグインの利用ガイドも公開されております。
https://www.dellemc.com/en-us/collaterals/unauth/technical-guides-support-information/products/converged-infrastructure/docu97002.pdf

プラグインの導入

基本の vCenter、vSAN の有効化

まずは vROps の画面から「管理タブ」> 「ソリューション」> 「クラウドアカウント」 で基本となる収集対象の vCenter を登録し、同じ vCenter に対して vSAN の構成も有効化します。


VxRail プラグイン(コンテンツパック)の追加

VxRail 用プラグインの追加は先ほどダウンロードしたファイルを Web UI 上でアップロードする事で簡単に適用できます。
「管理」>「リポジトリ」>「追加/アップグレード」を選択します。 

ZIP を解凍して .pak ファイルを選択し、アップロードします。

アップロードしたファイルを適用するとすぐに利用可能になります。


プラグインの追加は以上で終わります。
次に VxRail クラスタの接続情報を入力します。

VxRail アプライアンスの vCenter 設定追加

リポジトリにプラグインを追加すると以下の様に VxRail の枠が確認できます。

続いて VxRail への接続設定を入力します。

vSAN の時と同じく、vCenter の FQDN と認証情報を入力し「追加」を実行します。

vSAN の隣に VxRail の枠が追加されました。

ここまで出来たら後は「ダッシュボード」画面でダッシュボードやビューを追加します。
それぞれの項目に「VxRail ***」といった形でカスタムダッシュボードが追加されている事が確認できます。


ビューの追加も 「VxRail ***」と名の付くビューが用意されていますので適宜追加利用します。

試しに追加した カスタムダッシュボードでは、Performance、環境オーバービュー、キャパシティオーバービューなど、vSAN クラスタとしてのモニタリングで必須項目の他、VxRail クラスタとして押さえておくべきグラフ関連が標準で用意されます。

このままでも利用できますし、皆様の用途に応じてさらにこのダッシュボードをカスタムすることももちろん可能ですので、VxRail と vROps を併用している方は無償で利用できるプラグインですので是非ご利用ください。


ラボの機器は電源が足りなくて片系しか給電していないのでいつも警告が上がっています…

キャパシティ傾向なども実際に使っていくともう少し変化が見られますが、導入したばかりだときれいな状態のままです...


そろそろこの環境も最新の vROps 8.1 にバージョンアップして、次回は vROps 8.1 でのアップデートなどを実機画面でご紹介しようかなと思います。

2020年5月2日土曜日

VxRail に関連する有用ドキュメント・必読サイトの紹介

定期的に質問、問い合わせ受ける VxRail 関連のドキュメントで有用かつ一般公開されているものを覚え書きを兼ねて共有します。
仕様や設定変更に関して重要な情報が記載されている管理者ガイドやプランニングガイドは ★必読 とマーク付けていますので参考にしていただければ幸いです。
また、定期的に新しいコンテンツ見つけたら追記しています。

※ vSAN に関する有用なドキュメントは以前ご紹介した投稿を参照ください。
vSAN お勧めドキュメント・書籍のご紹介(2019年版)

VxRail 日本語 コミュニティ (Dell Community) : 投稿は要ログイン

VxRail 全般の技術 QA は Dell Community を活用ください、たいてい 24 時間以内に回答がつきます。
https://www.dell.com/community/ストレージ-コミュニティ/bd-p/storage-jp

VxRail 日本語 FAQ (VMTN : VMware Technical Network)

DellEMC の VxRail サポートチームの方が VMTN (VMware Technical Network) 内の日本語フォーラムに様々な Tips を投稿していますので、運用の参考になります。
VMware Technology Network (VMTN) 日本語フォーラム VxRail 関連記事

VxRail攻略Wiki

DellEMC のエンジニア 石塚さんがまとめてくださった VxRail まとめ情報です。
SIer の方、エンジニアの方で VxRail の提案、導入、運用に関わる方は必読です。

VxRail Support サイト (ソフトウェアダウンロード・KB・ドキュメント関連) : 要ログイン

https://www.dell.com/support/home/jp/en/jpbsd1/product-support/product/vxrail-appliance-series/

VxRail Documentation Quick Reference List

本投稿にある様な有用資料のリンク集です。
https://www.dellemc.com/en-us/collaterals/unauth/technical-guides-support-information/products/converged-infrastructure/docu95173.pdf

サポートサイト内のリリースノート、サポートマトリクスなど VxRail の必須ドキュメントのリンクは上記資料を参照ください。
※ 2020/5/25 : リストに VCF 関連のドキュメントも追加されました

Dell プロダクトの EOS・EOL 情報 : 要ログイン

VxRail などの製品サポート終了予定日が纏まっています。
KB000185734-All Dell EMC End-of-Life Documents
https://dell.to/3HQYwkQ

Dell Technologies Info Hub (2020/6/1 追記)

Dell Technologies Info Hub という VMware Storage Hub みたいな見た目のサイトが作られている事を見つけましたので共有します。
本サイトでまとめたようなドキュメントが公式でまとまっております。
https://infohub.delltechnologies.com/t/vxrail/

一般公開されている VxRail ドキュメント

Dell EMC VxRail vCenter Server Planning Guide ★必読

VxRail では組み込みの vCenter とお客様が利用中の vCenter を利用する外部 vCenter がサポートされていますが、vCenter をどのように利用するか本資料を利用して計画します。

Dell EMC VxRail™ Network Planning Guide ★必読

VxRail がサポートするネットワークに関してのガイドです。VxRail で構成可能なネットワーク要件、導入後の設定、様々な Tips がまとまっています。
※ 2021/08 日本語版追加

 Dell EMC VxRail Appliance Techbook ★必読

VxRail の仕様、設定、制限など様々な情報がまとまったドキュメントです。
※ 2021/08 日本語版追加

Dell EMC VxRail™ Appliance 7.0 Administration Guide ★必読

VxRail 7.0 (vSphere 7.0 / vSAN 7.0) に関する管理者ガイドです。導入後の VxRail の設定変更についてのサポートマトリクスや様々な運用 Tips が掲載されています。

2020/7/17 サポートサイト要ログインですが、管理ガイドの日本語版も公開されました。
https://dl.dell.com/content/docu98131_VxRail_7.0.x管理ガイド.pdf

Dell EMC VxRail™ Appliance 4.7 Administration Guide ★必読

VxRail 4.7 (vSphere 6.7.x / vSAN 6.7.x) に関する管理者ガイドです。同上。
https://www.dellemc.com/en-us/collaterals/unauth/technical-guides-support-information/products/converged-infrastructure/docu91466.pdf

Dell EMC VxRail™ Appliance 4.5 Administration Guide

VxRail 4.5 (vSphere 6.5.x / vSAN 6.6.x) に関する管理者ガイドです。同上。
https://www.dellemc.com/en-us/collaterals/unauth/technical-guides-support-information/products/converged-infrastructure/docu86660.pdf

Dell EMC VxRail™ Appliance 4.0 Administration Guide

VxRail 4.0 (vSphere 6.0.x / vSAN 6.2.x) に関する管理者ガイドです。同上。
https://www.dellemc.com/en-us/collaterals/unauth/technical-guides-support-information/products/networking-4/docu80739.pdf

VxRail Manager PlugIn for VMware vCenter Guide ★ 必読 (要サポートサイトログイン)

VxRail 4.7 から HTML5 vSphere Client に VxRail Manager の各種機能が PlugIn で組み込まれましたが、その運用・操作ガイドです。
https://support.emc.com/docu92679_VxRail-Manager-Plugin-for-VMware-vCenter-Tech-Note.pdf

VxRail Management Pack for vRealize Operations User's Guide

vRealize Operations 用の VxRail Management Pack のガイドです。
https://www.dellemc.com/en-us/collaterals/unauth/technical-guides-support-information/products/converged-infrastructure/docu97002.pdf

File-Based Backup and Restore of VxRail VCSA and PSC ★必読

VxRail で利用される vCenter のファイルベースバックアップのガイドです。
※ vCenter 7.0 からはイメージバックアップは非推奨となり、ファイルベースバックアップが必須となりますので要チェックです。
※ vSphere 7.0 の最初のリリースノートには "Deprecation of Image-Based Backup and Restore Support for vCenter Server"
"Image-based backup and restore for vCenter Server is deprecated in vCenter Server 7.0 and will not be supported in a future vSphere release."
と記載があり、今後は vCSA のイメージバックアップは非サポートとなる可能性が高いです。
https://www.dellemc.com/en-us/collaterals/unauth/technical-guides-support-information/products/converged-infrastructure/docu95114.pdf

vSAN 2-Node Cluster on VxRail Planning Guide 

VxRail で 2-Node vSAN を構成する際のガイドです。
※ 2021/08 日本語版追加
https://www.dellemc.com/resources/en-us/asset/technical-guides-support-information/products/converged-infrastructure/h17566-vsan-2node-cluster-on-vxrail-planning-guide.pdf

Dell EMC VxRail vSAN Stretched Cluster Planning Guide for VxRail 7.0

Dell EMC VxRail vSAN Stretched Cluster Planning Guide for VxRail 4.7

VxRail 4.7 で Stretched Cluster を構成する際のガイドです。
https://www.dellemc.com/bs-ba/collaterals/unauth/white-papers/products/converged-infrastructure/h15275-vxrail-planning-guide-virtual-san-stretched-cluster.pdf

Joining VxRail Supplied vCSA and PSC to Active Directory

VxRail の組み込み vCenter を AD で SSO 認証構成する際のガイドです。
https://www.dellemc.com/en-us/collaterals/unauth/technical-guides-support-information/products/converged-infrastructure/docu91266.pdf

Deploying Oracle RAC on Dell EMC VxRail

VxRail 上で Oracle RAC を導入する際のガイドです。
https://www.dellemc.com/resources/en-us/asset/technical-guides-support-information/products/converged-infrastructure/vmw-solution-brief-oracle-vcf-vxrail.pdf

SAP HANA on Dell EMC VxRail Hyperconverged Infrastructure

VxRail 上で SAP HANA を導入する際のガイドです。
https://www.dellemc.com/resources/en-us/asset/technical-guides-support-information/products/converged-infrastructure/h17317-vxrail_sap-hana-vg.pdf

VxRail Comprehensive Security by Design

VxRail のセキュリティに関するガイド、Tips です。
https://www.dellemc.com/en-au/collaterals/unauth/white-papers/products/converged-infrastructure/vxrail-comprehensive-security-design.pdf

VxRail API Cookbook

VxRail を API 経由で操作する際のガイドの簡易版、Cookbookです。
最新版はサポートサイトの方が早く反映、公開されていますのでご注意ください。

VxRail Appliance 4.5.x, 4.7.x, and 7.0.x API Guide

VxRail を API 経由で操作する際のガイドです(PowerShell・PowerCLI や REST など)。Cookbook を利用する上でもより詳細な情報を確認する際はこちらの API Guide を参照してください。
https://dl.dell.com/content/docu91468_VxRail_Appliance_4.5.x,_4.7.x,_and_7.0.x_API_Guide.pdf

VxRail Cluster 間 仮想マシン移行ツール (VM Migration Tool) ガイド

20200629 Update 追記
サポートサイトで入手可能な PowerShell・PowerCLI スクリプト「VxRail Cluster Migration Automation Package (vxrail-cluster-migration.ps1)」<https://dl.dell.com/downloads/DL96988_VxRail-Cluster-Migration-Automation-Package.zip> を活用した VxRail Cluster 間の仮想マシンの移行方法のガイドです。

VxRail のバージョン毎にガイドが分かれているので以下の資料を適宜ご確認ください。

Dell EMC VxRail 7.0.x Cluster Migration User’s Guide 

https://dl.dell.com/content/docu99187_VxRail_7.0.x_Cluster_Migration_User's_Guide.pdf

Dell EMC VxRail 4.7.x Cluster Migration User’s Guide 

https://dl.dell.com/content/docu99188_VxRail_4.7.x_Cluster_Migration_User's_Guide.pdf

VxRail Cluster Migration Automation Package (vxrail-cluster-migration.ps1)

https://dl.dell.com/downloads/DL96988_VxRail-Cluster-Migration-Automation-Package.zip
※ 移行ツール「vxrail-cluster-migration.ps1」は VxRail Cluster Migration Automation Package に含まれています。

VCF on VxRail 関連ドキュメント

VxRail を基盤にして VCF を展開する際のガイド類です。VCF 導入計画・アップグレード計画に関しては VMware の公式ドキュメントDellEMC Solve ガイドなども併せて参照してください。

VMware Cloud Foundation on VxRail Planning and Preparation Guide

※ 2020/5/21 VCF 4.0 on VxRail7.0 対応版
※ VCF 3.x on VxRail 4.7 対応版

VMware Cloud Foundation on VxRail Architecture Guide

※ 2020/5/21 VCF 4.0 on VxRail7.0 対応版

※ VCF 3.10 on VxRail 4.7 対応版

VMware Cloud Foundation on Dell EMC VxRail : Accelerating the Journey to VMware Software-Defined Data Center and Hybrid Cloud 

2020年4月16日木曜日

ESXi 7.0 で変更されたブート領域(Boot Bank)のパーティションについて

vSphere 7.0 が先週 GA され多くの新機能の情報が出てきておりますが、
本投稿では少し地味に ESXi 7.0 で大きく変更された ESXi のブート領域(ブートバンク, スクラッチ, 診断パーティションその他)について紹介します。
※ 昨年の vFORUM で vSphere Deep Dive のセッションに出られた方はその資料も併せてご覧ください。

追記1 : 2020/5/28 : 公式ブログの方でも詳細解説「vSphere 7 – ESXi System Storage Changes」が掲載されました。
https://blogs.vmware.com/vsphere/2020/05/vsphere-7-esxi-system-storage-changes.html

追記2 : 2020/7/22 : さらにメジャーバージョンアップ時の詳細解説「vSphere 7 – System Storage When Upgrading」が掲載されました。
https://blogs.vmware.com/vsphere/2020/07/vsphere-7-system-storage-when-upgrading.html

追記3 : 2021/1/15 : ESXi 7.0u1c からシステムパーティションのカスタマイズが systemMediaSize オプションで可能になりました KB : Boot option to configure the size of ESXi system partitions (81166)

追記4 : 2021/4/30 : SD カードや USB メモリをブートデバイスとして利用した場合のリスク KB : VMFS-L Locker partition corruption on SD cards in ESXi 7.0 (83376)、耐久性の高い SSD の利用推奨について追記しました

追記5 : 2021/9/17 : 【重要】今後は SD カード、USB フラッシュメディアを利用したブートデバイスが推奨でなくなる (高耐久 SSD が強く推奨) 事が明記された KB が公開されました現在の環境はサポートは継続が続きますが、次期 ESXi バージョン (8.x) 等で SD カードのみ、USB メディアのみで構成されたブート領域は非サポートとなります (OSData 領域をフラッシュメディア以外の領域に要設定)。
KB : Removal of SD card/USB as a standalone boot device option (85685)

ESXi のブート領域(Boot Bank)のパーティションについて

ESXi は VMware ESX 3.5 (この頃はまだ vSphere という名称ではなかった) から登場し、vSphere 5.0 以降では全て ESXi が Hypervisor となり、USB メモリなど小容量デバイスにもインストールできる軽さが特徴でした。
今回、ESXi 7.0 ではそのブート領域のデザインが大きく変更され
環境(自宅ラボなど)によっては、新規に ESXi をインストールする際にインパクトが大きいと思われるので参考にしていただければと幸いです。

ESXi ハードウェア要件の変更

まず、公式ガイドの ESXi ハードウェア要件を見てみます。
ESXi のインストール用デバイスについてはドキュメント上でも明確に記載が変わっており、要約すると以下のようになります。
  • ESXi 6.7 まで
    • 最低 1 GB の起動デバイス
    • VMFS ボリュームと 4 GB のスクラッチ パーティションを起動デバイスに作成するには、5.2 GB 以上のデバイスが必要(HDD/SSD/SAN/iSCSI)
    • SD カード、USB メモリをブートデバイスとする場合はコアダンプパーティションの保存に利用するため 4GB 以上、推奨は 16 GB 以上の高品質のフラッシュドライブの利用が推奨
  • ESXi 7.0 から
    • 最低 4 GB の起動デバイス
    • SD カード、USB メモリをブートデバイスとする場合は 8 GB 以上が推奨
    • HDD、SSD、NVMe などのその他のデバイスでは 32 GB 以上が推奨され、ブート パーティションと ESX-OSData ボリュームが作成されます
    • 128GB を超える HDD、SSD、NVMe ドライブの場合は ブート パーティション、ESX-OSData ボリューム、および VMFS データストアが作成されます
  • ESXi 6.x から 7.0 へのバージョンアップ
    • ESXi 6.x から ESXi 7.0 へのアップグレードには、最低 4 GB のブートデバイスである必要があります。

文字だけだと分かりにくいですが、
恐らく自宅ラボなどで ESXi を利用している方はブートドライブとして SSD, HDD を利用する場合、ESXi のブート領域の余りを VMFS として仮想マシンなどのデータを置く領域として利用しているかと思います。
※ ESXi 6.7 までは 5.2 GB以降は VMFS として利用可能

USB メモリや SD カード、HDD・SSD の表記上の容量は "SI 接頭辞( 1000 で繰り上がる KB,MB,GB,TB,PB)" で表記されていますが、実際にコンピュータの中では "2進接頭辞( 1024 で繰り上がる KiB,MiB,TiB,PiB)" で計算されます。
その為、32GB の SD カードを利用した場合でも実際は 29.8 GiB として認識され、パーティションの構成は 32GB 未満として作成されますのでご注意下さい。

※ この後、図やグラフ、CLI の出力結果に記載している "サイズ" は "GB" 表記ですが "2進接頭辞" での "GiB" を意図しています。

ESXi 7.0 では新しく ESX-OSData ボリュームという VMFS-L フォーマットの新しい領域が作成され、ここにコアダンプやスクラッチなど様々な領域が統合されます。※ VMFS-L は元々 vSAN 用のファイルシステムとして利用されています。
ESXi 7.0 では可変の OSData が 120GiB まで拡張されるため、VMFS として利用できるのは 128GiB 以降となってしまうので注意が必要です

デバイスの種類は、ESXi 7.0 以降でも USB メモリや SD カードをブートデバイスとする事はサポートされますが
BootBank の容量、スクラッチや各種ログの置き場として十分な領域を確保するためには、33GB 以上の M.2 SSD や SSD や HDD を利用する事が推奨されます

※ 2021/4/30 追記
vSphere 7.0u2 のドキュメントに明確に ESXi のブート領域は耐久性の高いフラッシュメディアにインストールするべきと追記されました。
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ESXi のハードウェア要件
https://docs.vmware.com/jp/VMware-vSphere/7.0/com.vmware.esxi.install.doc/GUID-DEB8086A-306B-4239-BF76-E354679202FC.html
M.2 およびその他の USB 以外の下位のフラッシュ メディアへの ESXi7.0 のインストール
USB フラッシュ デバイスとは異なり、 ESXi インストーラは M.2 およびその他の USB 以外の下位のフラッシュ メディアに、システム ストレージ ボリュームおよび VMFS データストアを作成します。仮想マシンをデプロイしたり、仮想マシンをこの起動デバイス データストアに移行すると、フラッシュ デバイスの耐久性およびワークロードの特性によっては、起動デバイスの老朽化が進む可能性があります。読み取り専用のワークロードでも下位のフラッシュ デバイスで問題が発生する可能性があるため、
ESXi は高耐久性フラッシュ メディアにのみインストールする必要があります
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パーティションデザインの変更

ここからは細かい話ですが、変更されたパーティションデザインをご紹介します。

ESXi インストール時に作成されるパーティションは ESXi 6.7 までは最大 8 種類のパーティションが切られましたが、
ESXi 7.0 以降では最大 5 種類と大幅に簡略化されています。

ESXi 6.7 までのパーティション



  • Partition #1 : System Partition (4MB)
  • Partition #2 - "/scratch" Partition (4GB)
  • Partition #3 : VMFS Partition (VMFS)
  • Partition #5 - "/bootbank" (250MB)
  • Partition #6 - "/altbootbank" (250MB)
  • Partition #7 - Small CoreDump #1 (110MB)
  • Partition #8 - "/store" (286MB)
  • Partition #9 - Large CoreDump #2 (2.5GB)

CLI でPartitionテーブル見ると次のような感じです(32GiB のデバイスを利用時)。

[root@localhost:~] esxcli --formatter=csv --format-param=fields="Display Name,Is Local,Is SSD,Size" storage core device list
DisplayName,IsLocal,IsSSD,Size,
Local NECVMWar CD-ROM (mpx.vmhba1:C0:T0:L0),true,false,0,
Local VMware Disk (mpx.vmhba0:C0:T0:L0),true,false,32768,

[root@localhost:~] partedUtil getptbl /vmfs/devices/disks/mpx.vmhba0:C0:T0:L0
gpt
4177 255 63 67108864
1 64 8191 C12A7328F81F11D2BA4B00A0C93EC93B systemPartition 128
5 8224 520191 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0
6 520224 1032191 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0
7 1032224 1257471 9D27538040AD11DBBF97000C2911D1B8 vmkDiagnostic 0
8 1257504 1843199 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0
9 1843200 7086079 9D27538040AD11DBBF97000C2911D1B8 vmkDiagnostic 0
2 7086080 15472639 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0
3 15472640 67108830 AA31E02A400F11DB9590000C2911D1B8 vmfs 0  ← 7.5GB 以降が VMFS で割り当てられる

[root@localhost:~] df -h
Filesystem   Size   Used Available Use% Mounted on
VMFS-6      24.5G   1.4G     23.1G   6% /vmfs/volumes/datastore1
vfat       249.7M 148.4M    101.3M  59% /vmfs/volumes/eefbca74-8bec43ca-3f57-2b771eef9805
vfat         4.0G   4.6M      4.0G   0% /vmfs/volumes/5e959a24-46aa910d-69e1-005056b64fa8
vfat       285.8M 173.8M    112.0M  61% /vmfs/volumes/5e959a1c-2a6338cd-39f0-005056b64fa8
vfat       249.7M   4.0K    249.7M   0% /vmfs/volumes/25a74077-d68771e7-74cb-44c65bc80f64
 

ESXi 7.0 からのパーティション


  • Partition #1 : System Partition (100MB)
  • Partition #5 - "/bootbank" (500MB / 1GB / 4GB)
  • Partition #6 - "/altbootbank" (500MB / 1GB / 4GB)
  • Partition #7 - OSData (VMFS-L)
  • Partition #8 - VMFS Partition (VMFS6)
同じく CLI でみると以下の様になります(140GiB のデバイスを利用時)。
System Partition、Boot Bank ともに拡張され、VMFS-L の OSData、VMFS6 のローカルデータストアが作成されている事が確認できます。

[root@localhost:~] esxcli --formatter=csv --format-param=fields="Display Name,Is Local,Is SSD,Size" storage core device list
DisplayName,IsLocal,IsSSD,Size,
Local NECVMWar CD-ROM (mpx.vmhba1:C0:T0:L0),true,false,0,
Local VMware Disk (mpx.vmhba0:C0:T0:L0),true,false,143360,

[root@localhost:~] partedUtil getptbl /vmfs/devices/disks/mpx.vmhba0:C0:T0:L0
gpt
18275 255 63 293601280
1 64 204863 C12A7328F81F11D2BA4B00A0C93EC93B systemPartition 128
5 208896 8595455 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0
6 8597504 16984063 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0
7 16986112 268435455 4EB2EA3978554790A79EFAE495E21F8D vmfsl 0 ← 128GB まで OSData として VMFS-L で割り当てられる
8 268437504 293601246 AA31E02A400F11DB9590000C2911D1B8 vmfs 0 ← 128GB 以降が VMFS に割り当てられる

[root@localhost:~] df -h
Filesystem   Size   Used Available Use% Mounted on
VMFS-6      11.8G   1.4G     10.3G  12% /vmfs/volumes/datastore1
VMFS-L     119.8G   3.0G    116.7G   3% /vmfs/volumes/OSDATA-5e95a002-38c3d94c-c1a9-005056b649df
vfat         4.0G 162.7M      3.8G   4% /vmfs/volumes/BOOTBANK1
vfat         4.0G  64.0K      4.0G   0% /vmfs/volumes/BOOTBANK2
 

起動オプション systemMediaSize によるカスタマイズ

※ 2021/1/15 追記 : 
----
ESXi 7.0u1c から systemMediaSize Boot Option を指定する事でデフォルトのサイズを指定できる様になりました。

自宅 Lab 用途などでブートドライブの VMFS 領域を有効に利用したい場合は以下オプションで適切なサイズでのインストールが可能です。(以下の GB 単位は GiB ではなく SI 接頭辞の GB)

指定方法 : systemMediaSize=<size> 
  • min (33 GB, for single disk or embedded servers)
  • small (69 GB, for servers with at least 512 GB RAM)
  • default (138 GB)
  • max (consume all available space, for multi-terabyte servers)
インストール時のメディアで boot.cfg に kernelopt=runweasel systemMediaSize=small とすることで kickStart などでサイズを指定することも可能です。

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デバイスサイズによるパーティションデザインの違い

ESXi 7.0 以降は ESXi の Kernel がインストールされる Boot Bank が従来の 250MiB から拡張されブートデバイスのサイズにより 500MiB / 1GiB / 4GiB が自動で選ばれ、その後ろに可変サイズの OSData 領域が作成されます。
また、前述のとおりローカルデータストアとしての VMFS は 128GB 以降に作成されます。
※ Boot Bank の拡張は、近年の vSAN や NSX-T の対応、k8s 対応など ESXi の Kernel が持つ機能が増え、今後の機能設計を幅を広げるためといわれております。

※ 2021/6/30 追記 :
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7.0u1c のリリース後、リリースノートと公式 Docs の記載が、
4 ~ 10 GB 10 ~ 33 GB 33 ~ 138 GB 138 GB 超
となっており、128GB 超ではなく、138GB 超となった記載が確認できます。
138GB という数字は物理ドライブが採用する SI 接頭辞(10進) での数字で、2進接頭辞に換算すると 128GiB になります。
ブートデバイスの選定時はご注意ください。
起動メディアのサイズ4 ~ 10 GB10 ~ 33 GB33 ~ 138 GB138 GB 超
システム起動100 MB100 MB100 MB100 MB
起動バンク 0500 MB1 GB4 GB4 GB
起動バンク 1500 MB1 GB4 GB4 GB
ESX-OSData残りの容量残りの容量残りの容量最大 138 GB
VMFS データストアメディア サイズが 142 GB より大きい場合の残りの容量
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※ OSData 領域のサイズをインストール時に変更する際は、ESXi 7.0u1c より実装された systemMediaSize オプションを利用します (上記参照)。

ESXi 7.0 を 4GiB ~ 10GiB のデバイスにインストールした場合

10GiB 未満のデバイスの場合は Boot Bank が二つの 500MiB で構成され、残りが OSData となります。
[root@localhost:~] partedUtil getptbl /vmfs/devices/disks/mpx.vmhba0:C0:T0:L0
gpt
1044 255 63 16777216
1 64 204863 C12A7328F81F11D2BA4B00A0C93EC93B systemPartition 128
5 208896 1232895 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0
6 1234944 2258943 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0
7 2260992 16777182 4EB2EA3978554790A79EFAE495E21F8D vmfsl 0

[root@localhost:~] df -h
Filesystem   Size   Used Available Use% Mounted on
VMFS-L       6.8G   3.0G      3.7G  44% /vmfs/volumes/OSDATA-5e95a038-b39a3c28-1601-005056b6d1b2
vfat       499.7M 159.7M    340.0M  32% /vmfs/volumes/BOOTBANK1
vfat       499.7M   8.0K    499.7M   0% /vmfs/volumes/BOOTBANK2
 

ESXi 7.0 を 10GiB ~ 32GiB のデバイスにインストールした場合










10GiB 以上 32GiB 未満のデバイスの場合は Boot Bank が二つの 1GB で構成され、残りが OSData となります。
[root@localhost:~] partedUtil getptbl /vmfs/devices/disks/mpx.vmhba0:C0:T0:L0
gpt
1305 255 63 20971520
1 64 204863 C12A7328F81F11D2BA4B00A0C93EC93B systemPartition 128
5 208896 2306047 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0
6 2308096 4405247 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0
7 4407296 20971486 4EB2EA3978554790A79EFAE495E21F8D vmfsl 0

[root@localhost:~] df -h
Filesystem    Size   Used Available Use% Mounted on
VMFS-L        7.8G   3.0G      4.7G  39% /vmfs/volumes/OSDATA-5e95a096-6a73bbb9-fd63-005056b6c969
vfat       1023.8M 160.9M    862.9M  16% /vmfs/volumes/BOOTBANK1
vfat       1023.8M  32.0K   1023.8M   0% /vmfs/volumes/BOOTBANK2
 

ESXi 7.0 を 32GiB ~ 128GiB (138GB)のデバイスにインストールした場合









32GiB 以上 128GiB 未満のデバイスの場合は Boot Bank が二つの 4GB で構成され、残りが OSData となります。
ESXi 6.x では作成されたローカルデータストアもこの場合は作成されません。
[root@localhost:~] partedUtil getptbl /vmfs/devices/disks/mpx.vmhba0:C0:T0:L0
gpt
13054 255 63 209715200
1 64 204863 C12A7328F81F11D2BA4B00A0C93EC93B systemPartition 128
5 208896 8595455 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0
6 8597504 16984063 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0
7 16986112 209715166 4EB2EA3978554790A79EFAE495E21F8D vmfsl 0
                                                             ← 128GB 以下のデバイスでは VMFS6 のパーティションは作成されない

[root@localhost:~] df -h
Filesystem  Size   Used Available Use% Mounted on
VMFS-L     91.8G   3.0G     88.7G   3% /vmfs/volumes/OSDATA-5e959fe3-697dd9c3-7a6a-005056b6bdeb
vfat        4.0G 162.7M      3.8G   4% /vmfs/volumes/BOOTBANK1
vfat        4.0G  64.0K      4.0G   0% /vmfs/volumes/BOOTBANK2
 

ESXi 7.0 を 128GiB (138GB)以上のデバイスにインストールした場合








128GiB 以上のデバイスの場合は Boot Bank が二つの 4GB で構成され、 OSData が 120GiB、残りが VMFS6 のローカルデータストアとなります。

この様に標準でインストールした場合は、ローカルデータストアは 128GiB (138GB) 以上のデバイスで初めて作成されますので、ローカルデータストアの利用を予定されていた場合はご注意ください。
※ OSData 領域のサイズをインストール時に変更する際は、ESXi 7.0u1c より実装された systemMediaSize オプションを利用します (上記参照)。
[root@localhost:~] esxcli --formatter=csv --format-param=fields="Display Name,Is Local,Is SSD,Size" storage core device list
DisplayName,IsLocal,IsSSD,Size,
Local NECVMWar CD-ROM (mpx.vmhba1:C0:T0:L0),true,false,0,
Local VMware Disk (mpx.vmhba0:C0:T0:L0),true,false,143360,

[root@localhost:~] partedUtil getptbl /vmfs/devices/disks/mpx.vmhba0:C0:T0:L0
gpt
18275 255 63 293601280
1 64 204863 C12A7328F81F11D2BA4B00A0C93EC93B systemPartition 128
5 208896 8595455 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0
6 8597504 16984063 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0
7 16986112 268435455 4EB2EA3978554790A79EFAE495E21F8D vmfsl 0 ← 128GB まで OSData として VMFS-L で割り当てられる
8 268437504 293601246 AA31E02A400F11DB9590000C2911D1B8 vmfs 0 ← 128GB 以降が VMFS に割り当てられる

[root@localhost:~] df -h
Filesystem   Size   Used Available Use% Mounted on
VMFS-6      11.8G   1.4G     10.3G  12% /vmfs/volumes/datastore1
VMFS-L     119.8G   3.0G    116.7G   3% /vmfs/volumes/OSDATA-5e95a002-38c3d94c-c1a9-005056b649df
vfat         4.0G 162.7M      3.8G   4% /vmfs/volumes/BOOTBANK1
vfat         4.0G  64.0K      4.0G   0% /vmfs/volumes/BOOTBANK2
 

ESXi を 6.x から 7.0 以降にバージョンアップした場合

既存の ESXi 6.x から 7.0 にバージョンアップした際には、各パーティションが再作成され、Boot Bank は 500MiB に拡張され、診断パーティションやスクラッチは OSData に集約されます。

ESXi 6.7 の時のパーティション

[root@localhost:~] partedUtil getptbl /vmfs/devices/disks/mpx.vmhba0:C0:T0:L0
gpt
4177 255 63 67108864
1 64 8191 C12A7328F81F11D2BA4B00A0C93EC93B systemPartition 128 ← システムパーティションは 4MB
5 8224 520191 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0
6 520224 1032191 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0
7 1032224 1257471 9D27538040AD11DBBF97000C2911D1B8 vmkDiagnostic 0
8 1257504 1843199 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0
9 1843200 7086079 9D27538040AD11DBBF97000C2911D1B8 vmkDiagnostic 0
2 7086080 15472639 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0
3 15472640 67108830 AA31E02A400F11DB9590000C2911D1B8 vmfs 0 

[root@localhost:~] df -h
Filesystem   Size   Used Available Use% Mounted on
VMFS-6      24.5G   1.4G     23.1G   6% /vmfs/volumes/datastore1
vfat       249.7M 148.4M    101.3M  59% /vmfs/volumes/eefbca74-8bec43ca-3f57-2b771eef9805
vfat         4.0G   4.6M      4.0G   0% /vmfs/volumes/5e959a24-46aa910d-69e1-005056b64fa8
vfat       285.8M 173.8M    112.0M  61% /vmfs/volumes/5e959a1c-2a6338cd-39f0-005056b64fa8
vfat       249.7M   4.0K    249.7M   0% /vmfs/volumes/25a74077-d68771e7-74cb-44c65bc80f64
 

ESXi 6.7 → ESXi 7.0 にバージョンアップ後のパーティション

既存環境を ESXi 7.0 にバージョンアップした場合は、ローカルデータストアの VMFS はそのまま維持されます。
自宅ラボ環境などでブートデバイス兼ローカルデータストアとしての容量も必要な方は、いったん 6.7 をインストール後に 7.0 にバージョンアップする事でローカルデータストアの容量を 7.0 を新規インストールした場合に比べて 100GiB 以上確保することが可能です。

※ ESXi 7.0u1c から  systemMediaSize=<size> で指定する事で新規インストール時でも最小 33GB に抑える事が可能となりました。

[root@localhost:~] partedUtil getptbl /vmfs/devices/disks/mpx.vmhba0:C0:T0:L0
gpt
4177 255 63 67108864
1 64 204863 C12A7328F81F11D2BA4B00A0C93EC93B systemPartition 128  ← システムパーティションは 100MB に拡張
5 208896 1232895 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0
6 1234944 2258943 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0
7 2260992 15470592 4EB2EA3978554790A79EFAE495E21F8D vmfsl 0
8 15472640 67108830 AA31E02A400F11DB9590000C2911D1B8 vmfs 0  ← VMFS の位置は変わらず

[root@localhost:~] df -h
Filesystem   Size   Used Available Use% Mounted on
VMFS-6      24.5G   1.4G     23.1G   6% /vmfs/volumes/datastore1  ← VMFS はそのまま引き継がれる
VMFS-L       6.2G   3.0G      3.2G  48% /vmfs/volumes/OSDATA-5e95d58b-553b0e70-9f56-005056b64fa8
vfat       499.7M   8.0K    499.7M   0% /vmfs/volumes/BOOTBANK1
vfat       499.7M 159.7M    340.0M  32% /vmfs/volumes/BOOTBANK2
 

メジャーバージョンアップ後に元のバージョンにロールバックしたい場合

上のパーティションの使われ方を見ていただくと分かりますが、メジャーバージョンアップ後は片方の Boot Bank が空になっている事がわかります。
ESXi は二つある Boot Bank を利用して直前のバージョンのイメージを保持しているのでバージョンアップ後に問題が見つかった場合は起動時に Shift+R でリカバリする事が可能ですが、今回のメジャーバージョンアップ後はそれが利用できません。

メジャーバージョンアップ後に 6.7 に戻したい場合は、直前の Build と同じ ESXi を再インストール(VMFS 領域は保持)した後にバックアップしておいたコンフィグを戻すことでリカバリが可能です。

メジャーバージョンアップの前には必ず現在の ESXi Build と同じ ESXi インストーラ、パッチのDepot を用意しておくことと、直前に ESXi のコンフィグをバックアップしておいてください。
How to back up ESXi host configuration (2042141)
Reverting to a previous version of ESXi (1033604)

ESXi 7.0 を 4GB のデバイスにインストールした場合

ESXi 7.0 ではインストールデバイスの最低容量が 4GB となったため、4GB 以下のデバイスでは以下の様にインストールが出来ません。
また、以前のバージョンからのバージョンアップもできない為ご注意ください。

まとめ

ESXi 7.0 から大きく変わるブートデバイスのパーティションについてのご紹介でした。
商用環境などでこれから新規導入する場合は、32GB 以上の SSD、HDD などを利用する事が推奨されます。
最近はブートデバイス専用の M.2 SSD なども各社ラインナップしているのでそれらを利用するのが良いかと思います。

自宅ラボで ESXi をご利用の方は、ESXi 7.0 を新規導入する場合はローカルデータストアの扱いが従来から大きく変更されているのでご注意ください。

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