今年の5月にVmware公式ブログで紹介され、従来のアセスメントツールに代わる新しいツールとして利用が始まっていますが、もっと利用されていても良さそうなので今回ご紹介します。
Announcing the new VMware HCI Assessment(Vmware公式ブログ)
https://blogs.vmware.com/virtualblocks/2018/05/01/vmware-hci-assessment/
ちなみに、Vmware ハンズオンラボ(HOL)でもHCIアセスメントに触れることが出来ます。
HOL-1908-01-HCI - vSAN v6.7 - Getting Started
https://labs.hol.vmware.com/HOL/
HOL-1908-01-HCI - vSAN v6.7 - Getting Started のドキュメント
http://docs.hol.vmware.com/HOL-2019/localization/manuals/ja/hol-1908-01-hci_html_ja/
※本投稿は vExperts Advent Calendar 2018 の 12/15 参加分のナレッジとなります。
※ 2019/7 更新 : オフライン アセスメントモードの際の最長データ収集時間が従来の 24時間から 7日間に拡大されました。
HCI アセスメントとは?
従来、Vmware関連のアセスメントツールというと、"Vmware Capacity Planner" や "VOA (vSphere Optimization Assessment)" が良く利用されていました。"Vmware Capacity Planner" は 分析対象がWindows/Linux/Unixなど物理サーバが主で、それぞれの分析対象にエージェントレス(WMI/SSH 等利用)でアクセスし、1週間から1か月ほどデータを集めてパフォーマンス分析する使い方でした。
"VOA"は分析対象が既存のvSphere基盤となり、vRealize Operations Manager 仮想アプライアンスを利用して既存vCenterから情報収集し、パフォーマンス分析・課題分析をするツールです。
どちらも今まで私も利用してきたツールですが、難点は一定期間パフォーマンス収集のためにPCなどでツールを動かす必要があり、
また、PowerPointやExcelなどのレポート生成は自分自身で時間をかけて作る必要がありました。
HCI アセスメントとは、公式ブログの方に詳しく書いてありますが、Dell EMCが開発・提供している "Live Optics" の一機能であるサーバ―基盤のアセスメント機能を利用しているツールです。
その特徴は以下のような利点があります(個人的な意見も含んでいます)
- exe形式の実行ファイルを動かすだけで特別なアプリ・エージェントのインストールは不要(Windows以外にもLinux環境での実行も対応)
- アセスメント対象にはエージェントレスでAPI/WMI/SSHなどでアクあせセス、情報収集
- データ収集は最短10分、インターネット非接続環境でもデータを収集し、あとで生成されたファイルをLive Opticsサイトにアップロードすれば瞬時にレポートが生成(PPTX・Excel・PDF)。
exe実行端末がインターネット接続環境であれば最新の LiveOptics であればインターネットに非接続環境であっても最長1週間の連続データ収集が可能でピークタイムなどをより詳細に分析可能(2019/7 Update)。- 物理サーバ・クライアント(Windows/Linux)も、仮想化環境(vSphere/Hyper-v)もまるっとデータ収集、レポート可能。
その他にも非常に使い勝手の良いアセスメントツールだと思いますが、
実はHCIアセスメント自体はLive Opticsの一機能である「Optical Prime」という、どこかで聞いたことのあるコンボイっぽい名前のツールのみの実行であり、
DellEMCのパートナーはそれ以外の機能、ストレージアセスメント、ファイルサーバアセスメント、バックアップシステムアセスメントなどかなり強力なツールとなっています。
前置きが長くなりましたが、実際のアセスメントツールの使用感などをご紹介します。
HCI アセスメント(Live Optics)の利用準備
HCI アセスメント(Live Optics)を初めて実施する方はまずは、https://app.liveoptics.com/register/vmware
にアクセスして、初回の登録を行ってください。
数営業日でアカウントがアクティベーションされます。
アカウントがアクティベーションされると次のようなポータルにログインできるようになります。
https://app.liveoptics.com/account/login
ログイン後のポータル、日本語も対応済みです。
HCIアセスメントの実施(コレクターツールの利用)
コレクターツールは自身のアカウントでダウンロードするか、またはこれからアセスメントを実施していただくお客様に直接ダウンロードしていただく事で入手可能です。
※ツールは定期的に更新されているので、アセスメントを実施する際に必ず最新のものをダウンロードします。
また、ダウンロードしたコレクターツールはそれ自身がダウンロード元のアカウントと関連付いており、収集したデータはアカウントのダッシュボードにアップロードされます。
その為、他人がダウンロードしたコレクターツールを流用すると自分以外のダッシュボードにデータがアップロードされてしまうので注意が必要です。
お客様にダウンロードしていただく場合は「キャプチャ要求」にお客様のメールアドレスを入力します。
コレクターツールはZIP形式の LiveOptics.zip ファイルとしてダウンロードされます。
解凍すると次のようなファイルが含まれています。
※Windows環境では.NET4.5が必要です。
LiveOpticsDotNet4_5.exe を起動するとコレクターが立ち上がります。
※インストール不要の実行ファイルです。
Vmware HCI アセスメントとしてアカウントアクティベーションすると以下の様なVmwareロゴのツールが起動します。
DellEMCパートナーなど、アカウントをすでにDellEMC側でアクティベーションしているとロゴはDellEMCになります。
また、このロゴはDellEMCパートナーの場合は各企業のロゴなど任意の画像に付け替えが出来ます。(NetOneはアセスメントのお手伝いしてますよ!をアピール…)
※各企業毎にグループ管理者がいるはずで、その管理者アカウントで変更が出来ます。
Vmware HCI アセスメントの場合は「サーバと仮想化(Optical Prime)」を実行します。
コレクターツールを実行する端末がインターネットに通信可能であれば、収集したデータがリアルタイムに転送され、ダッシュボード上でも直ぐに状況を確認する事が出来ます。
※インターネットに接続できる環境(オンライン)、及びインターネットに非接続の環境(オフライン)の双方で最長7日間のデータ収集が可能です。オフラインで実施する場合は
※ 2019/7 時点で、オフライン環境でのアセスメントも最長7日がサポートされました。
※ また、2019/5 時点で、オンライン・オフラインの2つのモード以外に、インベントリ情報だけを収集し、即時にExcelシートを作成する Inventory Only モードが増えました。
アセスメント対象のサーバ(vCenterやESXi、WindowsサーバやLinuxサーバ)を追加します。
手動入力、AD連携、CSVファイルからのインポートなどが可能です。
データ収集はエージェントレスで実施されます。
vCenterに接続する場合は、アセスメント対象のクラスタ、データセンターを選択可能です。
継続時間を設定し「キャプチャの開始」をクリックするとデータ収集が始まります。
インターネットにアップロードする設定にした場合はダッシュボード側でもその状況が確認できるので、例えば端末がWindows Updateで再起動してしまってデータ収集が中断してしまった場合などのトラブルにもすぐに気付くことが出来ます。
データ収集が完了すると、ダッシュボード上でも直ぐにレポートを確認できるようになります。
HCI アセスメントの結果確認
ダッシュボードにアップロードされた「プロジェクト」を開きます。「環境ビュー」では、全体のサマリが確認できます。
それぞれのリソースでピーク時、平均のデータ状況が確認できるので、この画面だけでもかなり有用な情報が得られます。
「パフォーマンスビュー」はより詳細に、各ホスト、各データストアなど個別のレポートも確認出来ます。
また、インベントリ情報などはCSVデータでエクスポートも可能です。
IOPSやスループット、遅延やCPU利用状況もグラフで簡単に、クラスタ、ホスト、データストアごとに確認ができます。
データストアの使われ方もR/W比含め詳細に確認できます。
アセスメントレポートのパワーポイント化・PDF化
レポートに含める項目にチェックを入れてレポート生成ボタンを押すだけで、1分ほどでダウンロード可能です。
ダウンロードしたファイルも日本語化されているので、すぐにお客様に共有できますし、テキスト編集も可能なので独自のレポートに貼り付ける事も出来ます。
アセスメント結果をvSAN ReadyNode Sizerと連携
2018年12月時点ではまだPreview版扱いですが、vSAN Ready Nodeのサイジングツール(vSAN Ready Node Sizer)に連携する機能があり、これが中々便利です。プロジェクトの右上の「エクスポート」>「vSAN Ready Node Sizer」をクリックすると、アセスメントで収集したデータが自動的に連携され必要事項が入力されます。
vSAN Ready Node Sizer
https://vsansizer.vmware.com/
一つ一つデータを入れるとちょっと面倒ですが、LiveOpticsからインベントリ情報、ワークロード情報がインポートされるのでより適切なサイジングが可能となります。
まとめ
以上がVmware HCI アセスメント(Live Optics)の紹介となりますが、従来のアセスメントツールと異なり、データの収集もレポートの作成も非常に簡易に行えるのが大きなメリットだと思います。
また、導入前のサイジングのためのアセスメント以外にも、運用開始後の定期的なITインフラの健康診断にも活用ができる便利なツールですので、まだ利用したことが無い方はぜひ触ってみて下さい。