PoC 検証支援で遭遇した事象の対処方法として覚え書き
最近のバージョンの VxRail の初期化で "Node Image Management Tool" (NIM Tool) を利用してノードの初期化を行うと ESXi の標準の Shell の出力が COM
指定になっている、とのこと。
この状態で ESXi の背面の VGA ポートにディスプレイを接続して DCUI から Alt + F1 で直接 Shell にログインしようとしたり、iDRAC などを利用してリモート KVM にアクセスしようとすると
"Redirecting console to the serial port..."
と表示され Shell にログインが出来ません。
別の場所で移設した検証機などを立ち上げたがネットワークの問題などで SSH にログインができない、そんな時に Local Shell にアクセスすることは多々ありますが、この状態ではそれが出来ません。
対処方法
この状態の VxRail は iDRAC で Serial Over LAN が有効になっているようなので、ipmitool などで iDRAC ネットワーク経由で Shell にアクセスが可能です。
ipmitool -H <iDRAC IP / BMC IP> -I lanplus -U <User> -P <Password> sol activate
通常のモニタ越しの ESXi Shell だと文字のコピーペーストは不可ですが、Serial Over LAN だと文字のコピペが出来るので案外便利です。
また、Shell の出力を標準ディスプレイに戻すには ESXi の Shell にログインして、
esxcfg-advcfg -s none /Misc/ShellPort
で元に戻せます。
※ キーストロークシーケンスでも変更できるので詳細は後述を参照。
現在の設定値のは -g オプションで確認できます。
esxcfg-advcfg -g /Misc/ShellPort
これらシリアルポートへの出力の変更は公式ドキュメント "ヘッドレス システムの操作" に詳細が説明されています。
ESXi の Shell や DCUI をシリアル側に出力する方法は、Raspberry Pi など VGA レスの端末に Arm 版 ESXi をインストールした場合などにも役だちます。
詳細は各ドキュメントを参照して下さい。
# シリアル ポートの切り替え
[ログ モード] esxcfg-advcfg -s com1 /Misc/LogPort
[シェル モード] esxcfg-advcfg -s com1 /Misc/ShellPort
[DCUI モード] esxcfg-advcfg -s com1 /Misc/ConsolePort
[GDB モード] esxcfg-advcfg -s com1 /Misc/GDBPort
# デフォルトに戻すには -s none をセット
[ログ モード] esxcfg-advcfg -s none /Misc/LogPort
[シェル モード] esxcfg-advcfg -s none /Misc/ShellPort
[DCUI モード] esxcfg-advcfg -s none /Misc/ConsolePort
[GDB モード] esxcfg-advcfg -s none /Misc/GDBPort
# キーストローク シーケンスでもシリアル ポートの切り替えが可能
[ログ モード] Ctrl+G, Ctrl+B, 1
[シェル モード] Ctrl+G, Ctrl+B, 2
[DCUI モード] Ctrl+G, Ctrl+B, 3
[GDB モード] Ctrl+G, Ctrl+B, ?