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2019年2月13日水曜日

vSAN お勧めドキュメント・書籍のご紹介(2019年版)

2018年末から2019年初めにかけて、Vmware vSAN 関連で最近のお勧めのドキュメント、書籍の新版が相次いでリリースされましたので、eBookで入手できるものをまとめました。
無償のものが多いので直ぐに活用できます。

VMware vSAN 6.7 U1 Deep Dive (kindle版 1,149円)

vSANエンジニアのDuncan EppingさんとCormac Hoganさんが著者の最新 vSAN 6.7u1 の詳細技術本です。
400ページ近い技術本ですが、著者の方々の配慮で非常に入手しやすい価格で手に入れる事が出来ますので、vSANに興味のある技術者ならば一読の価値があります。

TwitterやvSAN公式ブログで昨年末から抽選でプレゼントのキャンペーンをしていますが、米国kindle版限定のようなので、日本のAmazonアカウントでkindleを利用される場合は以下の日本版の方を購入した方が便利です。
VMware vSAN 6.7 U1 Deep Dive (English Edition) Kindle版

VMware vSAN 公式ドキュメント

vSAN関連の公式ドキュメントですが、各バージョン毎に用意されているのと、主要なものはPDFでもダウンロード可能です。
https://docs.vmware.com/en/VMware-vSAN/index.html

以下、設計・導入ガイド、管理ガイド、監視・トラシューガイドの3点の2019年2月時点の最新 vSAN 6.7u1のドキュメントのリンクとなります。

vSAN Planning and Deployment

https://docs.vmware.com/en/VMware-vSphere/6.7/vsan-671-planning-deployment-guide.pdf

Administering VMware vSAN

https://docs.vmware.com/en/VMware-vSphere/6.7/vsan-671-administration-guide.pdf

vSAN Monitoring and Troubleshooting

vSAN 6.7u3 版(2019/08 追記)
https://docs.vmware.com/en/VMware-vSphere/6.7/vsan-673-monitoring-troubleshooting-guide.pdf
vSAN 6.7u1 版
https://docs.vmware.com/en/VMware-vSphere/6.7/vsan-671-monitoring-troubleshooting-guide.pdf

Storage Hub : VMware vSAN

もう一つの公式ドキュメント、Storage Hub のvSAN関連のドキュメント集です。
ベストプラクティス、デザインガイドの他、次に紹介する「PowerCLI Cookbook for vSAN」のような運用関連のTips集が公開されています。
HTMLで閲覧する事も、PDFとしてダウンロードする事も可能です。

PowerCLI Cookbook for vSAN

先月公開された PowerCLI で vSAN クラスタを構築、管理、運用する上でのTipsが満載の公式ドキュメントです。
著者は Vmware の Staff Technical Marketing Architect の Jase McCarty さんで、定期的にオンライン Webinar も開催していますので興味ある方は FaceBook や Twitter で Vmware PowerCLI をフォローしておくと案内が流れてきます。

初めてPowerCLIを利用する方でも取っ付き易い様に、PowerCLIのインストール手順から、クラスタを構築する際のコマンドレットのサンプル、vSANの運用の要であるポリシー運用のPowerCLIでの利用も紹介されています。

https://storagehub.vmware.com/section-assets/powercli-cookbook-for-vsan

Migrating to vSAN

Storage Hub の vSAN Tips の一つで、いろいろな既存環境からvSAN環境への仮想マシンのマイグレーション方法が記されています。
PowerCLIを利用した既存クラスタからvSANクラスタへの Cross vCenter vMotion without SSO など有益な情報が満載です。こちらもPDFでエクスポート可能です。

https://storagehub.vmware.com/t/vmware-vsan/migrating-to-vsan/

また、vSAN を基盤に利用している VCF への各種環境からの仮想マシンの移行方法がWhitePaper にまとめられていますので、以下もダウンロードしておくと便利です。

https://www.vmware.com/content/dam/digitalmarketing/vmware/en/pdf/products/cloud-foundation/vmware-cloud-foundation-workload-migration-white-paper.pdf

Operationalizing VMware vSAN

2019年1月にリリースされたvSANの運用にフォーカスしたeBookで、こちらも無償でPDF版が入手できます。
https://blogs.vmware.com/services-education-insights/files/2019/01/Operationalizing-VMware-vSAN.pdf

vSAN 6.2 Essential

vSANエンジニアのDuncan EppingさんとCormac Hoganさんが2017年末に無償公開したvSAN 6.2 Essential のデータが PDF・epub・mobi 形式でダウンロード可能です。
現在でも非常に有益な書籍なのでお勧めです。

https://legacy.gitbook.com/book/vsan-essentials/vsan-6-2/details


その他にも沢山ありますが、今回は無償または低価格ですぐに入手出来て活用できるものとしてお勧めのドキュメントを紹介させて頂きました。

2019年2月3日日曜日

vSAN HCLに掲載されているデバイスを正しく実機と同じか把握する方法

vSAN環境を利用している場合はアップデート作業の前には必ずVMware Compatibility Guide vSAN HCLをチェックして、適切なバージョンのファームウェア、デバイスドライバを用意する事を推奨していますが、

「HCLに同じだったり似たような名前のHBAがリストされていて、どれを見るべき?」

と質問されましたので、
実際利用しているハードウェアとvSAN HCL記載のデバイスを正しくマッチさせるための調べ方を共有します。

※詳細はKB「『VMware ハードウェア互換性ガイド (HCL)』を使用して ESXi/ESX ホスト PCI デバイス (HBA) の正しいドライバを特定する (1031534)」にも記載がありますが、
ちょっと分かり難いので、今回は esxcli コマンドと esxcfg コマンドを利用する方法を紹介します。
※ 以前の KB 1031534 の内容は KB 1027206 に統合されたため以下を参照願います。

vSAN HCLの最新情報のチェック

vSANのHCL<VMware Compatibility Guide vSAN HCL>は、初期画面だとvSAN Ready Nodeのリストになるので、HBAなど個別コンポーネントをチェックする場合は、上記vSAN HCLページを少し下にスクロールして、
「認証コンポーネントを基盤とした構築」をクリックして画面を切り替えておきます。


例えば、IO Controller(HBA・RAIDカード)でDellのHBA330やH730などのカードを利用していた時はキーワードで検索すれば対象のHCLがリストされますが、
似ている名称、同名のカードがいくつも出てくる時があります。



ここで重要になるのは、
実際にサーバーに搭載しているカードがどれか、正しく判別するためには上のキャプチャにある「製品の説明」欄、または各カード名をクリックして詳細を表示した際に表示される、VID、SVID、DID、SDIDを実機のものと照らし合わせます。
それぞれの値が各ハードウェア固有の数値となります。
  • VID = ベンダー ID
  • SVID = サブベンダー ID
  • DID = デバイス ID
  • SDID = サブデバイス ID
    ※ Compatibility List では SSID と記載されていますが、SubDevice ID の略称なので SDID で本投稿では統一しています
実際にサーバーに搭載されているハードウェアの詳細はKBに記載のある vmkchdev -l コマンドや、esxcfg-info コマンドでも調べられますが、個人的には esxcli コマンドか、esxcfg-scsidevs などを利用するのが手っ取り早いかと思います。

デバイス情報全般を確認する際のesxcliのオプションは以下です。

esxcli hardware pci list

出力される情報が多いので、パイプでlessに渡すか、Teratermなどで結果を貼り付けてデバイス名(HBA330など)で検索するかで絞り込みます。
[root@tokyo-esxi01:~] esxcli hardware pci list
~中略~ 
0000:18:00.0
   Address: 0000:18:00.0
   Segment: 0x0000
   Bus: 0x18
   Slot: 0x00
   Function: 0x0
   VMkernel Name: vmhba0
   Vendor Name: Avago (LSI Logic)
   Device Name: Dell HBA330 Mini
   Configured Owner: VMkernel
   Current Owner: VMkernel
   Vendor ID: 0x1000
   Device ID: 0x0097
   SubVendor ID: 0x1028
   SubDevice ID: 0x1f53

   Device Class: 0x0107
   Device Class Name: Serial Attached SCSI controller 
~以下略~
 この様な形で、vSAN HCLのサイトに掲載されているVID、SVID、DID、SDIDを正確に確認する事が出来ます。

もっと簡単に絞り込みができるのが esxcfg-scsidevs コマンドです。
以下の例では PowerEdge に搭載された HBA330 であることもサクッと分かります。
[root@tokyo-esxi01:~] esxcfg-scsidevs -a
vmhba0  lsi_msgpt3        link-n/a  sas.54cd98f047153a00                    (0000:17:00.0) Avago (LSI Logic) Dell HBA330 Mini
vmhba1  vmw_ahci          link-n/a  sata.vmhba1                             (0000:00:11.5) Intel Corporation Lewisburg SATA AHCI Controller
vmhba2  vmw_ahci          link-n/a  sata.vmhba2                             (0000:00:17.0) Intel Corporation Lewisburg SATA AHCI Controller
vmhba3  vmw_ahci          link-n/a  sata.vmhba3                             (0000:65:00.0) Marvell Technology Group Ltd. Dell BOSS-S1 Adapter
vmhba0 が調べたいデバイスであることがわかり、ドライバ名 (lsi_msgpt3) も確認できます。

ドライババージョンを確認する場合は vmkload_mod コマンドでドライバ名を指定します。
[root@tokyo-esxi01:~] vmkload_mod -s lsi_msgpt3 | grep -i version
 Version: 17.00.02.00-1vmw.670.3.73.14320388

PCI List で確認したデバイスの各 ID を確認するためには vmkchdev を利用します。

[root@tokyo-esxi01:~] vmkchdev -l | grep vmhba0
0000:17:00.0 1000:0097 1028:1f53 vmkernel vmhba0
左から順番に VID、SVID、DID、SDID で確認できます。


ここまで、HBA など IO controller での確認方法となりますが、KB には NIC などの確認方法も掲載されていますので、詳細は以下の KB を参照願います。

最近のvSAN 6.6.x や vSAN 6.7.x ではvCenter vSphere Client でvSANの構成アシストやヘルスチェックの機能が充実しているので、
利用中のHBAなどのファームウェアやデバイスドライバがきちんとvSAN HCLに準拠したものを利用しているかどうか、明確にわかるようになりました。

最新のvSAN HCLの情報を正しく認識させておくためには、vSAN 健全性サービス - vSAN HCL の健全性 – vSAN HCL DB の最新の状態 (2109870) を参照し
定期的にvSAN HCL DBのファイル
 http://partnerweb.vmware.com/service/vsan/all.json
をダウンロードし、vCenter vSAN 健全性情報を更新しておきます。


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