本投稿では少し地味に ESXi 7.0 で大きく変更された ESXi のブート領域(ブートバンク, スクラッチ, 診断パーティションその他)について紹介します。
※ 昨年の vFORUM で vSphere Deep Dive のセッションに出られた方はその資料も併せてご覧ください。
追記1 : 2020/5/28 : 公式ブログの方でも詳細解説「vSphere 7 – ESXi System Storage Changes」が掲載されました。
https://blogs.vmware.com/vsphere/2020/05/vsphere-7-esxi-system-storage-changes.html
追記2 : 2020/7/22 : さらにメジャーバージョンアップ時の詳細解説「vSphere 7 – System Storage When Upgrading」が掲載されました。
https://blogs.vmware.com/vsphere/2020/07/vsphere-7-system-storage-when-upgrading.html
追記3 : 2021/1/15 : ESXi 7.0u1c からシステムパーティションのカスタマイズが systemMediaSize オプションで可能になりました KB : Boot option to configure the size of ESXi system partitions (81166)
追記4 : 2021/4/30 : SD カードや USB メモリをブートデバイスとして利用した場合のリスク KB : VMFS-L Locker partition corruption on SD cards in ESXi 7.0 (83376)、耐久性の高い SSD の利用推奨について追記しました
追記5 : 2021/9/17 : 【重要】今後は SD カード、USB フラッシュメディアを利用したブートデバイスが推奨でなくなる (高耐久 SSD が強く推奨) 事が明記された KB が公開されました。現在の環境はサポートは継続が続きますが、次期 ESXi バージョン (8.x) 等で SD カードのみ、USB メディアのみで構成されたブート領域は非サポートとなります (OSData 領域をフラッシュメディア以外の領域に要設定)。
追記5 : 2021/9/17 : 【重要】今後は SD カード、USB フラッシュメディアを利用したブートデバイスが推奨でなくなる (高耐久 SSD が強く推奨) 事が明記された KB が公開されました。現在の環境はサポートは継続が続きますが、次期 ESXi バージョン (8.x) 等で SD カードのみ、USB メディアのみで構成されたブート領域は非サポートとなります (OSData 領域をフラッシュメディア以外の領域に要設定)。
KB : Removal of SD card/USB as a standalone boot device option (85685)
今回、ESXi 7.0 ではそのブート領域のデザインが大きく変更され、
環境(自宅ラボなど)によっては、新規に ESXi をインストールする際にインパクトが大きいと思われるので参考にしていただければと幸いです。
ESXi のブート領域(Boot Bank)のパーティションについて
ESXi は VMware ESX 3.5 (この頃はまだ vSphere という名称ではなかった) から登場し、vSphere 5.0 以降では全て ESXi が Hypervisor となり、USB メモリなど小容量デバイスにもインストールできる軽さが特徴でした。今回、ESXi 7.0 ではそのブート領域のデザインが大きく変更され、
環境(自宅ラボなど)によっては、新規に ESXi をインストールする際にインパクトが大きいと思われるので参考にしていただければと幸いです。
ESXi ハードウェア要件の変更
まず、公式ガイドの ESXi ハードウェア要件を見てみます。- ESXi 7.0 のハードウェア要件
- ESXi 6.7 のハードウェア要件
- ESXi 6.7 まで
- 最低 1 GB の起動デバイス
- VMFS ボリュームと 4 GB のスクラッチ パーティションを起動デバイスに作成するには、5.2 GB 以上のデバイスが必要(HDD/SSD/SAN/iSCSI)
- SD カード、USB メモリをブートデバイスとする場合はコアダンプパーティションの保存に利用するため 4GB 以上、推奨は 16 GB 以上の高品質のフラッシュドライブの利用が推奨
- ESXi 7.0 から
- 最低 4 GB の起動デバイス
- SD カード、USB メモリをブートデバイスとする場合は 8 GB 以上が推奨
- HDD、SSD、NVMe などのその他のデバイスでは 32 GB 以上が推奨され、ブート パーティションと ESX-OSData ボリュームが作成されます
- 128GB を超える HDD、SSD、NVMe ドライブの場合は ブート パーティション、ESX-OSData ボリューム、および VMFS データストアが作成されます
- ESXi 6.x から 7.0 へのバージョンアップ
- ESXi 6.x から ESXi 7.0 へのアップグレードには、最低 4 GB のブートデバイスである必要があります。
文字だけだと分かりにくいですが、
恐らく自宅ラボなどで ESXi を利用している方はブートドライブとして SSD, HDD を利用する場合、ESXi のブート領域の余りを VMFS として仮想マシンなどのデータを置く領域として利用しているかと思います。
※ ESXi 6.7 までは 5.2 GB以降は VMFS として利用可能
USB メモリや SD カード、HDD・SSD の表記上の容量は "SI 接頭辞( 1000 で繰り上がる KB,MB,GB,TB,PB)" で表記されていますが、実際にコンピュータの中では "2進接頭辞( 1024 で繰り上がる KiB,MiB,TiB,PiB)" で計算されます。
その為、32GB の SD カードを利用した場合でも実際は 29.8 GiB として認識され、パーティションの構成は 32GB 未満として作成されますのでご注意下さい。
※ この後、図やグラフ、CLI の出力結果に記載している "サイズ" は "GB" 表記ですが "2進接頭辞" での "GiB" を意図しています。
ESXi 7.0 では新しく ESX-OSData ボリュームという VMFS-L フォーマットの新しい領域が作成され、ここにコアダンプやスクラッチなど様々な領域が統合されます。※ VMFS-L は元々 vSAN 用のファイルシステムとして利用されています。
その為、32GB の SD カードを利用した場合でも実際は 29.8 GiB として認識され、パーティションの構成は 32GB 未満として作成されますのでご注意下さい。
※ この後、図やグラフ、CLI の出力結果に記載している "サイズ" は "GB" 表記ですが "2進接頭辞" での "GiB" を意図しています。
ESXi 7.0 では新しく ESX-OSData ボリュームという VMFS-L フォーマットの新しい領域が作成され、ここにコアダンプやスクラッチなど様々な領域が統合されます。※ VMFS-L は元々 vSAN 用のファイルシステムとして利用されています。
ESXi 7.0 では可変の OSData が 120GiB まで拡張されるため、VMFS として利用できるのは 128GiB 以降となってしまうので注意が必要です。
デバイスの種類は、ESXi 7.0 以降でも USB メモリや SD カードをブートデバイスとする事はサポートされますが、
BootBank の容量、スクラッチや各種ログの置き場として十分な領域を確保するためには、33GB 以上の M.2 SSD や SSD や HDD を利用する事が推奨されます。
デバイスの種類は、ESXi 7.0 以降でも USB メモリや SD カードをブートデバイスとする事はサポートされますが、
BootBank の容量、スクラッチや各種ログの置き場として十分な領域を確保するためには、33GB 以上の M.2 SSD や SSD や HDD を利用する事が推奨されます。
※ 2021/4/30 追記
vSphere 7.0u2 のドキュメントに明確に ESXi のブート領域は耐久性の高いフラッシュメディアにインストールするべきと追記されました。
vSphere 7.0u2 のドキュメントに明確に ESXi のブート領域は耐久性の高いフラッシュメディアにインストールするべきと追記されました。
ESXi のハードウェア要件----
https://docs.vmware.com/jp/VMware-vSphere/7.0/com.vmware.esxi.install.doc/GUID-DEB8086A-306B-4239-BF76-E354679202FC.html
M.2 およびその他の USB 以外の下位のフラッシュ メディアへの ESXi7.0 のインストール
USB フラッシュ デバイスとは異なり、 ESXi インストーラは M.2 およびその他の USB 以外の下位のフラッシュ メディアに、システム ストレージ ボリュームおよび VMFS データストアを作成します。仮想マシンをデプロイしたり、仮想マシンをこの起動デバイス データストアに移行すると、フラッシュ デバイスの耐久性およびワークロードの特性によっては、起動デバイスの老朽化が進む可能性があります。読み取り専用のワークロードでも下位のフラッシュ デバイスで問題が発生する可能性があるため、ESXi は高耐久性フラッシュ メディアにのみインストールする必要があります。----
パーティションデザインの変更
ここからは細かい話ですが、変更されたパーティションデザインをご紹介します。ESXi インストール時に作成されるパーティションは ESXi 6.7 までは最大 8 種類のパーティションが切られましたが、
ESXi 7.0 以降では最大 5 種類と大幅に簡略化されています。
ESXi 6.7 までのパーティション
- Partition #1 : System Partition (4MB)
- Partition #2 - "/scratch" Partition (4GB)
- Partition #3 : VMFS Partition (VMFS)
- Partition #5 - "/bootbank" (250MB)
- Partition #6 - "/altbootbank" (250MB)
- Partition #7 - Small CoreDump #1 (110MB)
- Partition #8 - "/store" (286MB)
- Partition #9 - Large CoreDump #2 (2.5GB)
CLI でPartitionテーブル見ると次のような感じです(32GiB のデバイスを利用時)。
[root@localhost:~] esxcli --formatter=csv --format-param=fields="Display Name,Is Local,Is SSD,Size" storage core device list DisplayName,IsLocal,IsSSD,Size, Local NECVMWar CD-ROM (mpx.vmhba1:C0:T0:L0),true,false,0, Local VMware Disk (mpx.vmhba0:C0:T0:L0),true,false,32768, [root@localhost:~] partedUtil getptbl /vmfs/devices/disks/mpx.vmhba0:C0:T0:L0 gpt 4177 255 63 67108864 1 64 8191 C12A7328F81F11D2BA4B00A0C93EC93B systemPartition 128 5 8224 520191 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0 6 520224 1032191 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0 7 1032224 1257471 9D27538040AD11DBBF97000C2911D1B8 vmkDiagnostic 0 8 1257504 1843199 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0 9 1843200 7086079 9D27538040AD11DBBF97000C2911D1B8 vmkDiagnostic 0 2 7086080 15472639 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0 3 15472640 67108830 AA31E02A400F11DB9590000C2911D1B8 vmfs 0 ← 7.5GB 以降が VMFS で割り当てられる [root@localhost:~] df -h Filesystem Size Used Available Use% Mounted on VMFS-6 24.5G 1.4G 23.1G 6% /vmfs/volumes/datastore1 vfat 249.7M 148.4M 101.3M 59% /vmfs/volumes/eefbca74-8bec43ca-3f57-2b771eef9805 vfat 4.0G 4.6M 4.0G 0% /vmfs/volumes/5e959a24-46aa910d-69e1-005056b64fa8 vfat 285.8M 173.8M 112.0M 61% /vmfs/volumes/5e959a1c-2a6338cd-39f0-005056b64fa8 vfat 249.7M 4.0K 249.7M 0% /vmfs/volumes/25a74077-d68771e7-74cb-44c65bc80f64
ESXi 7.0 からのパーティション
- Partition #1 : System Partition (100MB)
- Partition #5 - "/bootbank" (500MB / 1GB / 4GB)
- Partition #6 - "/altbootbank" (500MB / 1GB / 4GB)
- Partition #7 - OSData (VMFS-L)
- Partition #8 - VMFS Partition (VMFS6)
System Partition、Boot Bank ともに拡張され、VMFS-L の OSData、VMFS6 のローカルデータストアが作成されている事が確認できます。
[root@localhost:~] esxcli --formatter=csv --format-param=fields="Display Name,Is Local,Is SSD,Size" storage core device list DisplayName,IsLocal,IsSSD,Size, Local NECVMWar CD-ROM (mpx.vmhba1:C0:T0:L0),true,false,0, Local VMware Disk (mpx.vmhba0:C0:T0:L0),true,false,143360, [root@localhost:~] partedUtil getptbl /vmfs/devices/disks/mpx.vmhba0:C0:T0:L0 gpt 18275 255 63 293601280 1 64 204863 C12A7328F81F11D2BA4B00A0C93EC93B systemPartition 128 5 208896 8595455 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0 6 8597504 16984063 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0 7 16986112 268435455 4EB2EA3978554790A79EFAE495E21F8D vmfsl 0 ← 128GB まで OSData として VMFS-L で割り当てられる 8 268437504 293601246 AA31E02A400F11DB9590000C2911D1B8 vmfs 0 ← 128GB 以降が VMFS に割り当てられる [root@localhost:~] df -h Filesystem Size Used Available Use% Mounted on VMFS-6 11.8G 1.4G 10.3G 12% /vmfs/volumes/datastore1 VMFS-L 119.8G 3.0G 116.7G 3% /vmfs/volumes/OSDATA-5e95a002-38c3d94c-c1a9-005056b649df vfat 4.0G 162.7M 3.8G 4% /vmfs/volumes/BOOTBANK1 vfat 4.0G 64.0K 4.0G 0% /vmfs/volumes/BOOTBANK2
起動オプション systemMediaSize によるカスタマイズ
※ 2021/1/15 追記 :
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ESXi 7.0u1c から systemMediaSize Boot Option を指定する事でデフォルトのサイズを指定できる様になりました。
自宅 Lab 用途などでブートドライブの VMFS 領域を有効に利用したい場合は以下オプションで適切なサイズでのインストールが可能です。(以下の GB 単位は GiB ではなく SI 接頭辞の GB)
指定方法 : systemMediaSize=<size>
- min (33 GB, for single disk or embedded servers)
- small (69 GB, for servers with at least 512 GB RAM)
- default (138 GB)
- max (consume all available space, for multi-terabyte servers)
インストール時のメディアで boot.cfg に kernelopt=runweasel systemMediaSize=small とすることで kickStart などでサイズを指定することも可能です。
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デバイスサイズによるパーティションデザインの違い
ESXi 7.0 以降は ESXi の Kernel がインストールされる Boot Bank が従来の 250MiB から拡張されブートデバイスのサイズにより 500MiB / 1GiB / 4GiB が自動で選ばれ、その後ろに可変サイズの OSData 領域が作成されます。また、前述のとおりローカルデータストアとしての VMFS は 128GB 以降に作成されます。
※ Boot Bank の拡張は、近年の vSAN や NSX-T の対応、k8s 対応など ESXi の Kernel が持つ機能が増え、今後の機能設計を幅を広げるためといわれております。
※ 2021/6/30 追記 :
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7.0u1c のリリース後、リリースノートと公式 Docs の記載が、
7.0u1c のリリース後、リリースノートと公式 Docs の記載が、
4 ~ 10 GB 10 ~ 33 GB 33 ~ 138 GB 138 GB 超
となっており、128GB 超ではなく、138GB 超となった記載が確認できます。
となっており、128GB 超ではなく、138GB 超となった記載が確認できます。
138GB という数字は物理ドライブが採用する SI 接頭辞(10進) での数字で、2進接頭辞に換算すると 128GiB になります。
ブートデバイスの選定時はご注意ください。
起動メディアのサイズ | 4 ~ 10 GB | 10 ~ 33 GB | 33 ~ 138 GB | 138 GB 超 |
---|---|---|---|---|
システム起動 | 100 MB | 100 MB | 100 MB | 100 MB |
起動バンク 0 | 500 MB | 1 GB | 4 GB | 4 GB |
起動バンク 1 | 500 MB | 1 GB | 4 GB | 4 GB |
ESX-OSData | 残りの容量 | 残りの容量 | 残りの容量 | 最大 138 GB |
VMFS データストア | メディア サイズが 142 GB より大きい場合の残りの容量 |
----
※ OSData 領域のサイズをインストール時に変更する際は、ESXi 7.0u1c より実装された systemMediaSize オプションを利用します (上記参照)。
ESXi 7.0 を 4GiB ~ 10GiB のデバイスにインストールした場合
[root@localhost:~] partedUtil getptbl /vmfs/devices/disks/mpx.vmhba0:C0:T0:L0 gpt 1044 255 63 16777216 1 64 204863 C12A7328F81F11D2BA4B00A0C93EC93B systemPartition 128 5 208896 1232895 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0 6 1234944 2258943 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0 7 2260992 16777182 4EB2EA3978554790A79EFAE495E21F8D vmfsl 0 [root@localhost:~] df -h Filesystem Size Used Available Use% Mounted on VMFS-L 6.8G 3.0G 3.7G 44% /vmfs/volumes/OSDATA-5e95a038-b39a3c28-1601-005056b6d1b2 vfat 499.7M 159.7M 340.0M 32% /vmfs/volumes/BOOTBANK1 vfat 499.7M 8.0K 499.7M 0% /vmfs/volumes/BOOTBANK2
ESXi 7.0 を 10GiB ~ 32GiB のデバイスにインストールした場合
10GiB 以上 32GiB 未満のデバイスの場合は Boot Bank が二つの 1GB で構成され、残りが OSData となります。
[root@localhost:~] partedUtil getptbl /vmfs/devices/disks/mpx.vmhba0:C0:T0:L0 gpt 1305 255 63 20971520 1 64 204863 C12A7328F81F11D2BA4B00A0C93EC93B systemPartition 128 5 208896 2306047 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0 6 2308096 4405247 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0 7 4407296 20971486 4EB2EA3978554790A79EFAE495E21F8D vmfsl 0 [root@localhost:~] df -h Filesystem Size Used Available Use% Mounted on VMFS-L 7.8G 3.0G 4.7G 39% /vmfs/volumes/OSDATA-5e95a096-6a73bbb9-fd63-005056b6c969 vfat 1023.8M 160.9M 862.9M 16% /vmfs/volumes/BOOTBANK1 vfat 1023.8M 32.0K 1023.8M 0% /vmfs/volumes/BOOTBANK2
ESXi 7.0 を 32GiB ~ 128GiB (138GB)のデバイスにインストールした場合
32GiB 以上 128GiB 未満のデバイスの場合は Boot Bank が二つの 4GB で構成され、残りが OSData となります。
ESXi 6.x では作成されたローカルデータストアもこの場合は作成されません。
[root@localhost:~] partedUtil getptbl /vmfs/devices/disks/mpx.vmhba0:C0:T0:L0 gpt 13054 255 63 209715200 1 64 204863 C12A7328F81F11D2BA4B00A0C93EC93B systemPartition 128 5 208896 8595455 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0 6 8597504 16984063 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0 7 16986112 209715166 4EB2EA3978554790A79EFAE495E21F8D vmfsl 0 ← 128GB 以下のデバイスでは VMFS6 のパーティションは作成されない [root@localhost:~] df -h Filesystem Size Used Available Use% Mounted on VMFS-L 91.8G 3.0G 88.7G 3% /vmfs/volumes/OSDATA-5e959fe3-697dd9c3-7a6a-005056b6bdeb vfat 4.0G 162.7M 3.8G 4% /vmfs/volumes/BOOTBANK1 vfat 4.0G 64.0K 4.0G 0% /vmfs/volumes/BOOTBANK2
ESXi 7.0 を 128GiB (138GB)以上のデバイスにインストールした場合
128GiB 以上のデバイスの場合は Boot Bank が二つの 4GB で構成され、 OSData が 120GiB、残りが VMFS6 のローカルデータストアとなります。
この様に標準でインストールした場合は、ローカルデータストアは 128GiB (138GB) 以上のデバイスで初めて作成されますので、ローカルデータストアの利用を予定されていた場合はご注意ください。
※ OSData 領域のサイズをインストール時に変更する際は、ESXi 7.0u1c より実装された systemMediaSize オプションを利用します (上記参照)。
[root@localhost:~] esxcli --formatter=csv --format-param=fields="Display Name,Is Local,Is SSD,Size" storage core device list DisplayName,IsLocal,IsSSD,Size, Local NECVMWar CD-ROM (mpx.vmhba1:C0:T0:L0),true,false,0, Local VMware Disk (mpx.vmhba0:C0:T0:L0),true,false,143360, [root@localhost:~] partedUtil getptbl /vmfs/devices/disks/mpx.vmhba0:C0:T0:L0 gpt 18275 255 63 293601280 1 64 204863 C12A7328F81F11D2BA4B00A0C93EC93B systemPartition 128 5 208896 8595455 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0 6 8597504 16984063 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0 7 16986112 268435455 4EB2EA3978554790A79EFAE495E21F8D vmfsl 0 ← 128GB まで OSData として VMFS-L で割り当てられる 8 268437504 293601246 AA31E02A400F11DB9590000C2911D1B8 vmfs 0 ← 128GB 以降が VMFS に割り当てられる [root@localhost:~] df -h Filesystem Size Used Available Use% Mounted on VMFS-6 11.8G 1.4G 10.3G 12% /vmfs/volumes/datastore1 VMFS-L 119.8G 3.0G 116.7G 3% /vmfs/volumes/OSDATA-5e95a002-38c3d94c-c1a9-005056b649df vfat 4.0G 162.7M 3.8G 4% /vmfs/volumes/BOOTBANK1 vfat 4.0G 64.0K 4.0G 0% /vmfs/volumes/BOOTBANK2
ESXi を 6.x から 7.0 以降にバージョンアップした場合
既存の ESXi 6.x から 7.0 にバージョンアップした際には、各パーティションが再作成され、Boot Bank は 500MiB に拡張され、診断パーティションやスクラッチは OSData に集約されます。ESXi 6.7 の時のパーティション
[root@localhost:~] partedUtil getptbl /vmfs/devices/disks/mpx.vmhba0:C0:T0:L0 gpt 4177 255 63 67108864 1 64 8191 C12A7328F81F11D2BA4B00A0C93EC93B systemPartition 128 ← システムパーティションは 4MB 5 8224 520191 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0 6 520224 1032191 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0 7 1032224 1257471 9D27538040AD11DBBF97000C2911D1B8 vmkDiagnostic 0 8 1257504 1843199 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0 9 1843200 7086079 9D27538040AD11DBBF97000C2911D1B8 vmkDiagnostic 0 2 7086080 15472639 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0 3 15472640 67108830 AA31E02A400F11DB9590000C2911D1B8 vmfs 0 [root@localhost:~] df -h Filesystem Size Used Available Use% Mounted on VMFS-6 24.5G 1.4G 23.1G 6% /vmfs/volumes/datastore1 vfat 249.7M 148.4M 101.3M 59% /vmfs/volumes/eefbca74-8bec43ca-3f57-2b771eef9805 vfat 4.0G 4.6M 4.0G 0% /vmfs/volumes/5e959a24-46aa910d-69e1-005056b64fa8 vfat 285.8M 173.8M 112.0M 61% /vmfs/volumes/5e959a1c-2a6338cd-39f0-005056b64fa8 vfat 249.7M 4.0K 249.7M 0% /vmfs/volumes/25a74077-d68771e7-74cb-44c65bc80f64
ESXi 6.7 → ESXi 7.0 にバージョンアップ後のパーティション
既存環境を ESXi 7.0 にバージョンアップした場合は、ローカルデータストアの VMFS はそのまま維持されます。
自宅ラボ環境などでブートデバイス兼ローカルデータストアとしての容量も必要な方は、いったん 6.7 をインストール後に 7.0 にバージョンアップする事でローカルデータストアの容量を 7.0 を新規インストールした場合に比べて 100GiB 以上確保することが可能です。
※ ESXi 7.0u1c から systemMediaSize=<size> で指定する事で新規インストール時でも最小 33GB に抑える事が可能となりました。
[root@localhost:~] partedUtil getptbl /vmfs/devices/disks/mpx.vmhba0:C0:T0:L0 gpt 4177 255 63 67108864 1 64 204863 C12A7328F81F11D2BA4B00A0C93EC93B systemPartition 128 ← システムパーティションは 100MB に拡張 5 208896 1232895 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0 6 1234944 2258943 EBD0A0A2B9E5443387C068B6B72699C7 linuxNative 0 7 2260992 15470592 4EB2EA3978554790A79EFAE495E21F8D vmfsl 0 8 15472640 67108830 AA31E02A400F11DB9590000C2911D1B8 vmfs 0 ← VMFS の位置は変わらず [root@localhost:~] df -h Filesystem Size Used Available Use% Mounted on VMFS-6 24.5G 1.4G 23.1G 6% /vmfs/volumes/datastore1 ← VMFS はそのまま引き継がれる VMFS-L 6.2G 3.0G 3.2G 48% /vmfs/volumes/OSDATA-5e95d58b-553b0e70-9f56-005056b64fa8 vfat 499.7M 8.0K 499.7M 0% /vmfs/volumes/BOOTBANK1 vfat 499.7M 159.7M 340.0M 32% /vmfs/volumes/BOOTBANK2
メジャーバージョンアップ後に元のバージョンにロールバックしたい場合
上のパーティションの使われ方を見ていただくと分かりますが、メジャーバージョンアップ後は片方の Boot Bank が空になっている事がわかります。ESXi は二つある Boot Bank を利用して直前のバージョンのイメージを保持しているのでバージョンアップ後に問題が見つかった場合は起動時に Shift+R でリカバリする事が可能ですが、今回のメジャーバージョンアップ後はそれが利用できません。
メジャーバージョンアップ後に 6.7 に戻したい場合は、直前の Build と同じ ESXi を再インストール(VMFS 領域は保持)した後にバックアップしておいたコンフィグを戻すことでリカバリが可能です。
メジャーバージョンアップの前には必ず現在の ESXi Build と同じ ESXi インストーラ、パッチのDepot を用意しておくことと、直前に ESXi のコンフィグをバックアップしておいてください。
How to back up ESXi host configuration (2042141)
Reverting to a previous version of ESXi (1033604)
ESXi 7.0 を 4GB のデバイスにインストールした場合
ESXi 7.0 ではインストールデバイスの最低容量が 4GB となったため、4GB 以下のデバイスでは以下の様にインストールが出来ません。
また、以前のバージョンからのバージョンアップもできない為ご注意ください。
まとめ
ESXi 7.0 から大きく変わるブートデバイスのパーティションについてのご紹介でした。商用環境などでこれから新規導入する場合は、32GB 以上の SSD、HDD などを利用する事が推奨されます。
最近はブートデバイス専用の M.2 SSD なども各社ラインナップしているのでそれらを利用するのが良いかと思います。
自宅ラボで ESXi をご利用の方は、ESXi 7.0 を新規導入する場合はローカルデータストアの扱いが従来から大きく変更されているのでご注意ください。