vSAN Ready Node のカスタマイズについて質問される事が時々あるのですが、まだまだ 「vSAN Ready Node = ガイドに載った構成で導入するもの」という認識が多い様です。
実際は、多くのパーツは性能要件、用途に応じてカスタムする事が出来ますし、各サーバーメーカーの見積もりツールなどでも、Ready Node 型番のモデルから幅広くコンポーネントのカスタムが出来る事がほとんどです。
※ 2023/2/10 ESA に関して追記
※ 今回は2年前の VMware 公式ブログのネタと VMware Japan vSAN 担当 小佐野さんが書いたブログからのアップデート内容を中心に、現時点の情報を整理しておきたいと思います。
- What You Can (and Cannot) Change in a vSAN ReadyNode
https://blogs.vmware.com/virtualblocks/2017/03/14/can-cannot-change-vsan-readynode/ - ReadyNode、変えていいもの、ダメなもの。
http://vmwarekkhci.hatenablog.jp/entry/2017/10/16/201952 - 新しい vSAN Ready Node Sizer の効果的な利用方法
https://kwmtlog.blogspot.com/2020/09/new-vsan-ready-node-sizer-user-guide.html
最所に結論
vSAN Ready Node のコンポーネントは要件・用途に応じて IO Controller 以外の殆どのコンポーネントは VMware HCL に掲載されているものであれば「変更可能」です。初めに vSAN Ready Node Sizer で基本の構成サイジング
- 新しい vSAN Ready Node Sizer の効果的な利用方法
https://kwmtlog.blogspot.com/2020/09/new-vsan-ready-node-sizer-user-guide.html
vSAN Ready Node はどんなモデルが認定されているのか?
vSAN Ready Node は各サーバーメーカーが用意したベースモデルに vSAN 認定されている IO Controller や SSD を性能クラスに応じて搭載したカスタマイズの起点となる構成です。
※ 2023/2/10 ESA に関して追記
vSAN HCL のサイトに、従来からの vSAN OSA 版と vSAN 8.0 からの vSAN ESA 版で検索が可能です。
- vSAN OSA Ready Node
https://www.vmware.com/resources/compatibility/search.php?deviceCategory=vsan - vSAN ESA Ready Node
https://www.vmware.com/resources/compatibility/search.php?deviceCategory=vsanesa
以下のガイドラインに説明されていますが、性能要件に応じて 2/4/6/8 などのクラスが設定されています。
- vSAN Hardware Quick Reference Guide
https://www.vmware.com/resources/compatibility/vsan_profile.html - vSAN ESA ReadyNode Hardware Guidance
https://www.vmware.com/resources/compatibility/vsanesa_profile.php
vSAN Ready Node の変更可能なコンポーネント
詳細は 以下のKB 「vSAN ReadyNode で変更できるものとできないものについて (52084)」にて説明されています。上記 KB を見て頂ければわかると思いますが、明確に変更できないものとして指定されているコンポーネントは IO Controller (HBA、RAIDカードなど) 、SAS Expander、ストレージプロトコルの変更(SAS → NVMe、SAS → SATA 等ドライブインターフェースの個別変更)は変更不可とされています。
vSAN ESA Ready Node の変更可能なコンポーネント
※ 2023/2/10 追記
vSAN 8.0 から利用可能になった vSAN ESA 対応の Ready Node も変更可能なもの、不可なものが KB にて公開されています。
vSAN ESA の方はそもそも All NVMe でプロトコルが統一され、IO Controller も利用しない (PCIe ダイレクト) ため、最初から柔軟なカスタムが可能です。
ただし、ESA 向けのハードウェアガイダンスを下回るサイジング、特に 1 ESXi 辺りの NVMe ドライブは必ず4本以上、合計15TB 以上は必須と設定されていますのでご注意を。
SAS → SATA などドライブのモデル・プロトコルを変更したい場合はどうする?
ドライブ本数、ディスクグループ構成の変更は?
CPU、メモリなどの構成変更は?
その他のCPU、メモリ、ネットワークや、vSAN を構成する SSD、HDD などのドライブ類の本数、容量は用途に応じて HCL に掲載のある同等以上のモデルに構成を変更する事が可能です。vSphere Lifecycle Manager (vLCM) がサポートするモデルはどれ?
vSAN HCL
vSAN に限らず VMware 製品とハードウェアなど各コンポーネントとの互換性は Compatibility Guides にて常に最新の情報をチェックする必要があります。vSAN で認証されている HBA・SSD・HDD などコンポーネントや、vSAN Ready Node の 詳細な互換性確認も vSAN HCL ページで確認可能です。
https://www.vmware.com/resources/compatibility/search.php?deviceCategory=vsan
また、vSAN Ready Node 準拠ではなく、手組で vSAN クラスタ組むのに必要なコンポーネント(特に HBA や RAID カードなどの IO Controller、と SSD・HDD などのドライブ)のハードウェア互換性は、vSAN HCL ページ の下の方にある「認証コンポーネントを基盤とした構築」をクリックしてください。
例えば
vSAN 6.7 ~ 6.7u3 で HCL に掲載されている各社の IO Controller は以下のリンクで確認可能です。
vSAN 6.7.x でサポートされる IO Controller
vSAN Ready Node のガイドライン (リファレンスガイド)
vSAN Ready Node の定義ですが、以下のリファレンスガイドにて定義されています。vSAN Hardware Quick Reference Guide (英語)
https://www.vmware.com/resources/compatibility/vsan_profile.html
vSAN ハードウェア クイックリファレンスガイド (日本語)
https://www.vmware.com/resources/compatibility/vsan_profile.html?locale=ja_JP
※ 日本語ページ、たまにリンクが正しくリダイレクトされません。閲覧できない時はブラウザの cookie を消すなどしてからアクセスしてみて下さい。
以上、vSAN Ready Node の選び方とカスタマイズについてでした。