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2025年10月16日木曜日

VMware Workstation Pro 25H2 と VMware Fusion Pro 25H2 のリリース

"VMware Desktop Hypervisors" として無償化され、そろそろ一年が経つ VMware Workstation Pro と VMware Fusion Pro 。

ダウンロードの仕方が分かりにくい、今後のサポートが不安、いきなり有償化されるかもしれないから怖い、などなど、色々と文句言われることの多かった1年ですが、待望の新バージョンが 2025/10/14 (日本時間 10/15) にリリースされました。

VMware Workstation Pro 25H2 と Fusion Pro 25H2 のリリース情報

リリースノートは以下から確認できます。

今回から、バージョンナンバリングが、Workstation 17.x や Fution 13.x といったそれぞれ重ねてきたのバージョンから、 "25H2" などリリース時期を示したカレンダーバージョンに変更されます。

内部的には VCF など他の製品と同じ様なバージョンナンバリングになりました。

25H2 = 25.0.0.24995812

といった感じに、Workstation、Fusion ともに Version 25.x から再スタートした感じなので、来年にリリースされるものは Version 26H1 = 26.0.0.x のようなバージョンになると思われます。

機能としては従来からの Desktop Hypervisor の着実な強化が進み、Workstation Pro 25H2では次の強化が入っています。あくまでも前バージョンからの継続進化であり、メジャーバージョンアップとしてガラッと変わったわけではないようです。

  • USB 3.2 のサポート
  • Hardware version v22 のサポート
  • Hyper-V/WHP detection のサポート
  • 新しいゲスト OS のサポート
    • Red Hat Enterprise Linux 10
    • Fedora Linux 42
    • openSUSE Leap 16.0 (RC)
    • SUSE Linux 16 (Beta)
    • Debian 13
    • Oracle Linux 10
    • VMware ESX 9.0
  • 新しいホスト OS のサポート
    • Red Hat Enterprise Linux 10
    • Fedora Linux 42
    • openSUSE Leap 16.0 (RC)
    • SUSE Linux 16 (Beta)
    • Debian 13

Fution Pro 25H2 の方は次の強化が入っています。

  • USB 3.2 のサポート
  • Hardware version v22 のサポート
  • 新しいゲスト OS のサポート
    • Red Hat Enterprise Linux 10
    • Fedora Linux 42
    • openSUSE Leap 16.0 (RC)
    • SUSE Linux 16 (Beta)
    • Debian 13
    • Oracle Linux 10
    • VMware ESX 9.0 (Intel ベースのホスト OS のみ)
    • macOS Tahoe (Intel ベースのホスト OS のみ)
  • 新しいホスト OS のサポート
    • macOS Tahoe (Intel ベース と Apple Silicon)

サポートされるゲスト OS の詳細については Broadcom Compatibility Guide から [Guest OS] を参照し、"Fusion"、"Workstation" のチェックを入れて確認してみてください。

※ ただし、2025/10/15 のリリース日時点ではまだ最新バージョンの情報が反映されていませんでした。

Broadcom Compatibility Guide の利用方法については、以下の VMware Japan Blog の方にまとめましたので併せて参照してください。


VMware Workstation Pro 25H2 と Fusion Pro 25H2 のダウンロード

Broadcom Support Portal にソフトウェアダウンロードが移管されて以降、「ダウンロードしにくい」「ダウンロード方法がよくわからない」という声が SNS に上がっていましたが、そんなに難しいものではないので、ポイントだけ記します。

なお、その他 VMware ソフトウェアのダウンロード方法全般については、以下の VMware Japan Blog の方にもまとめてありますので参照してください。


第一前提で Broadcom Support Portal のアカウントがないと当然ダウンロードはできません。上記 Blog 記事の前半に手順が書いてあるので必要に応じて準備してください。

なお、Gmail などのフリーメールアドレスを利用したアカウントでも Workstation Pro など無償化されたフリーソフトウェアはダウンロードできます。


ダウンロードページ

Broadcom Support Portal にログインし、「My Downloads」を開くと商用ライセンスについてはアカウントに割当(エンタイトルメント)があるものダウンロード可能ですが、フリーメールアドレスなどで作成したアカウントでは何も表示されていないはずです。

画面上部にある「Free Software Downloads available HERE」をクリックしてフリーソフトウェアのページに移動します。


Workstation Pro と Fusion が並んでいるのが確認できるはずです(テキストでフィルタリングできます)


それぞれの直リンクは以下。


ダウンロードボタンが押せない!というときはだいたい左上の「I agree to theTerms and Conditions (利用規約に同意) 」のチェックが入っていないときです。リンク先の End User Agreement / Product Specific Documentation ページを開けばチェックが入れられます。


これでダウンロードが可能になります。


アカウントに住所情報などが入力されていない場合、輸出入コンプライアンスに関しての追記が求められます。適切な情報を入力し、「I Agree (同意する)」にチェックをいれてください。




VMware Workstation Pro 25H2 のインストール

Apple Silicon の Mac は仕事用で使っているのでリソース管理的に Fusion 入れられないので、手持ちの Windows 機でインストールを試してみます。

手順については公式 Techdocs にまとまっているので参照してください。

既存 Workstation Pro からのバージョンアップ

ポイントとしては、既に以前のバージョンの Workstation Pro がインストールされている場合は、一旦アンインストールしてから 25H2 をインストールすることが推奨されています。

アンインストールはプログラムの「変更」から起動するメニューに沿って進めます。


アンインストールせずに直接アップグレードすることもできますが、何等か問題が起きた場合はアンインストール、新規インストールをおすすめします。

なお、アンインストール時に既存の構成情報を残しておくことで、新規インストールした Workstation Pro は以前の構成情報(仮想マシンの登録情報やネットワーク設定)が引き継がれます。


製品ライセンス情報は既に無償化されたバージョンであるため残しておく必要はないので、チェックを外してしまっても問題ありません。


Hyper-V、Windows Hypervisor Platform (WHP)、仮想化ベースのセキュリティ (VBS) が有効化されたホスト OS へのインストール

Workstation Pro 15.5.5 以降では Windows ホスト OS 上で Hyper-v / WHP / VBS が有効になっている場合でも Workstation Pro をインストールし、ホスト VBS モードで仮想マシンが実行可能になりました。

上記が有効な場合、仮想マシンを実行する Hypervisor は VMware Workstation ではなく、Windows Hypervisor Platform (WHP) が利用されます。


Workstation Pro 17.x まではインストール時に自動で判別され、ホスト VBS モードが有効になるため、特に気にする必要なかったのですが、ホスト VBS モードが有効な場合は Nested VM がサポートされないなど一部の制限がありました。

25H2 からはインストール時にホスト VBS モードが有効か否かをメッセージしてくれます。


Hyper-v / WHP / VBS を無効化する場合

明示的にホスト VBS モードを使用しない場合は、インストール前に無効化することができます。

※ ただし、現在の Windows OS のセキュリティの一部を担う重要な機能でもあるため、Nested VM を動かすなどの予定がない限りはホスト VBS モードを利用したほうが安全です。
また、ホスト OS で WLS2 使う場合などは Hyper-v の有効化が必要なので、そうした環境で利用する場合は Workstation での Nested VM は諦めて
ホスト VBS モードを利用してください。

Hyper-v を無効化する場合は、「プログラムと機能」> 「Windows の機能の有効化または無効化」から Hyper-v / WHP 関連のサービスのチェックを外します。※ WHP は他の VBS 系機能が有効だと再有効化される場合がある。


手順の詳細はマイクロソフトの KB も参照。


つづいて 仮想化ベースのセキュリティの無効化(Device Guard、Credential Guard の無効化)。Hyper-v 無効化したはずなのになぜか VBS モードが検知されるときは恐らくこれが有効になっています。

仮想化ベースのセキュリティの状態は msinfo32.exe 起動すれば確認できます。

分かりにくい設定だと、デバイスセキュリティのコア分離もこの機能の一つ。既定値で VBS を利用するメモリ整合性が有効化されていることが多いので無効化が必要です。

「デバイスセキュリティ」 > 「コア分離」


「メモリ整合性」のチェックを外す


これら設定することで msinfo32.exe で「仮想化ベースのセキュリティ」が無効化されたことが確認できるはずです。


これでようやくホスト VBS モードが無効化できます。非常に面倒ですし WLS2 使えなくなりますし Windows OS としてのセキュリティリスクも高まるので、必要な場合のみこの設定を利用してください。



VMware Workstation Pro 25H2 で気付いた点

自動更新はまだ利用できず

2025年3月のオンラインリポジトリの仕様変更以降、自動更新が使えなくなっていますが、このバージョンでも同様でした。

「現時点ではアップデートに接続できません」KB 395172 のリンクが含まれるメッセージが表示されますが、このメッセージ自体も一つ前の Workstation Pro 17.6.4 から特に変わらず... 


Hybrid CPU は公式には非サポートのまま

P-Core (Performance-cores) / E-Core (Efficient-cores) を搭載する Hybrid CPU (Performance Hybrid Architecture CPU) は公式には非サポートのままです。

Broadcom Community (旧 VMTN) や William Lam 氏の Blog などで CPU コアをアフィニティで固定する方法などが紹介されているので、各自必要に応じて試してみてください。

William Lam 氏の Blog からいくつか関連情報


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