2024/3/26 に VMware Cloud Foundation 5.1.1 (VCF 5.1.1) がリリースされましたが、
このバージョンでは VMware by Broadcom 体制の新しいサブスクリプションライセンスに対応した他、初期構築時にライセンスキーを必要としない評価ライセンスモードでの構築が可能になりました。
- VMware Cloud Foundation 5.1.1 Release Notes
https://docs.vmware.com/en/VMware-Cloud-Foundation/5.1.1/rn/vmware-cloud-foundation-511-release-notes/index.html - Simpler Licensing with VMware vSphere Foundation and VMware Cloud Foundation 5.1.1
https://blogs.vmware.com/kb/2024/03/vcf-5-1-1-single-license-keys-and-aria.html
この仕様変更により従来は検証環境の場合でも最初から vSphere / vSAN / NSX / Aria などのライセンスキーを用意する必要がありましたが、今後は評価ライセンスモードを利用することで構築から 60 日の評価期間はすべての機能を利用可能になります。
今までは Holodeck や VLC (VCF Lab Constructor) を利用したちょっとした検証時も評価ライセンスキーを用意する手間がありましたが、今後は素組みの vSphere と同じく初期構築後は 60 日間の評価モードが利用できるので、検証用途では非常に楽になりました。
※ 初期構築時以外にもワークロードドメインの追加時や、拡張時にも「License Later Mode」を利用することで、先にホストを追加しておき 60 日以内にライセンスキーを適用する非同期運用が可能です。
そのポイントを簡単に試したので記しておきます。
Customer Connect から VCF 5.1.1 用のパラメーターシートのダウンロードと準備
初期構築用のパラメーターシートは Customer Connect から最新版を入手します
通常の VCF 用と VCF on VxRail 用の2種類の Excel ファイルが用意されています。
- VCF 用 : Cloud Builder Deployment Parameter Guide
- VCF on VxRail 用 : Cloud Builder Deployment Parameter Guide for VxRail
ダウンロードした Excel ファイルを開くと一番右の「Deploy Parameters」シートの中段に「License Keys」項目があります。
既定では「License Now」>「Yes」となっているので「No」に変更します。
ライセンスキーの項目がグレーアウトすれば OK です。
Cloud Builder API を利用したデプロイ時の場合
Broadcom の William Lam さんがまとめてくれています彼の Blog に詳細があります。
パラメーターを JSON で読み込ますときには deployWithoutLicenseKeys に ture を設定する必要があるようです。
"deployWithoutLicenseKeys" : true
※ JSON パラメーターの雛形は Cloud Builder に取り込んだ Excel ファイルから SOS ツールで生成することもできますが、Broadcom EMEA の Martin さんが彼のサイトでジェネレータを公開しているので以下をオススメします。
※ 今日 (2024/4/2) 時点ではまだ 5.1.1 の評価ライセンスモードには対応していないようでしたので "deployWithoutLicenseKeys" : true を追加する必要があります。
Cloud Builder を利用した初期構築と 60 日間評価モードの確認
管理ワークロードドメイン用に 4 台の vSAN Ready Node を準備し、VCF 5.1.1 対象バージョンの ESXi 8.0u2b をインストール、IP アドレスや FQDN、NTP、証明書の再作成など必要な準備をしておきます。
※ VCF の Cloud Builder を利用した初期構築の手順は公式ドキュメント Deploying VMware Cloud Foundation に詳細がありますが、近々注意点などまとめたガイドを書こうと思います。
Customer Connect からダウンロードした Cloud Builder 仮想アプライアンスを別の ESXi か VMware Workstation にデプロして起動します。
起動した Cloud Builder の Web UI を開き、パラメーターシートをアップロードします。
問題なくセットアップが進めば vCenter / NSX Manager / SDDC Manager など管理コンポーネントの展開と vSAN クラスタ設定など必要なものがすべて自動で行われます。
セットアップ完了後、SDDC Manager の UI にアクセスすると「ライセンス」画面が空であることが確認できます。
初期構築完了後の管理ワークロードドメインのクラスタを確認するとエラーが上がっていますが、ライセンスが評価モードであることのアラートなので問題ありません。
ライセンスキーを適用する場合は「ライセンス」画面で登録しておいたキーを「アクション」メニューから適用することが可能です。
vCenter 側に vSphere Client でアクセスをすると vSphere / vSAN クラスタが評価モードで初期構築されたことが確認できます。
以上、VMware Cloud Foundation 5.1.1 (VCF 5.1.1) でサポートされた評価ライセンスモードについての覚え書きでした。
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