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2019年10月14日月曜日

VMware のフラットデザインなパワポ用アイコンを手に入れる

長い間 SIer でプリセールスエンジニアとしても仕事をしていたので、PowerPoint で提案書を作成し、説明用のネットワーク図や構成図を Visio や Office の図形・シェイプでポンチ絵を書いてきました。
最近 VMware は各種アイコンをフラットデザインなものに変えてきており、従来公開されていた Visio っぽいアイコンなどは使われなくなり、特に HTML5 vSphere Client 含めた新しいデザインの UI (Clarity Design)で利用されているアイコンをどこで入手するのか分かり難くなっていますので、その入手方法含めて次の5点をご紹介します。


【参考】
以前の PowerPoint テンプレート集は今でも以下のコミュニティで公開されています。
VMware PowerPoint Icons and Images - 2Q12
https://communities.vmware.com/thread/400678

VMware 公式 Brand Central サイトから申請する

あまり一般的ではありませんが VMware Brand Central にて公式のテンプレートやアイコンセットなどが入手可能です。

利用するにはアカウントを作成し、利用にあたってのブランディングのトレーニングを受ける必要がありますので興味がある方はアクセスしてみてください。



VMware Partner Central などで PowerPoint 形式の製品提案テンプレートを入手

VMware パートナー会社にお勤めの方は VMware Partner Central で提案テンプレートなどを利用したり、 "icon" などキーワード検索する事で アイコン集がヒットしますが現時点では旧式のデザインだったりで、まとまったアイコンセットとしての入手が困難な状況です。
VMware Partner Central の各製品紹介 PowerPoint を日付でソートして探して、新しいものをダウンロードして使えそうなアイコンを自分で集めるのが手っ取り早い状況です。
※ Google で検索する際に vmware filetype:pptx site:vmware.com とファイル形式とサイトを絞り込んで検索かけてもヒットするかと思いましたが、ここ数年は PowerPoint 形式では公開されていない様でした。

vCenter などの Web UI から直接アイコンを入手する方法

vCSA や vROps、 Horizon View など HTML5 の UI が標準になり、画面で使われているアイコンは比較的簡単に入手できるようになっています。
ただ、画面右クリックで直接ダウンロードできるものは少ないので、画面上のアイコンなどを探るには Chrome など Web ブラウザのデベロッパーツール(F12ボタンで開く)を使うと便利です。
この方法ならば仮想アプライアンスへ直接 SSH・SCP などでログインできなくても必要なアイコンを気軽に入手できます。

ほしいアイコンがある画面で F12 キーを押してデベロッパーツールを開き、
[Sources] > [Page] を開くと HTML で読み込まれている各ファイルのツリーが表示されるので png ファイルや svg ファイルを探すことができますので、ダウンロードして PowerPoint に貼り付けてそのまま利用できます。
※ HTMLなどのソースから探すことができる方は対象を [Elements] から絞り込むことも可能です。

ちなみに vCenter UI の各所にある小さいアイコンは "svg-sprite.svg" などのいくつかのアイコンをまとめた SVG ファイルに集約されている ( SVG ファイルの中でいくつかのアイコンがグループ化されている ) のでそのまま使いまわすには残念ながら使い勝手が悪そうです。

この中から好みのアイコンを使うのであれば、SVG 形式のファイルを編集できるソフトを利用して必要なものを抜き出すか、Web ブラウザや PowerPoint で拡大表示させてキャプチャツールで切り取り、貼り付けする事も可能です。


※ SVG ファイルは Adobe の illustrator などのベクター画像を編集できるソフトで作成されています。フリーソフトでもいくつか利用可能で私は InkScape <https://inkscape.org/> を利用しています。一番最後に InkScape を利用してアイコンを取り出す方法をご紹介します。
※ この後紹介する SVG ファイルを PowerPoint に貼付して図形変換する方法ではこの "svg-sprite.svg" ファイルは使いにくいのでご注意ください。

仮想アプライアンスに SSH でアクセスできるなら "/lib/vmware-vsphere-ui/server/static/resources/" など各所に PNG ファイルや SVG ファイルがあるので find で探してみるのもよいかもしれません。

Clarity Icon を PowerPoint に利用する方法

上記で記した直接 Web UI からファイルを入手する以外にも、vSphere 6.7 HTML5 vSphere Client や vRealize Operations 7.x などで採用されている Clarity フレームワークのデザインで使われている各種アイコンは Clarity Icon として SVG フォーマットのものが公開されています。
(SVG : Scalable Vector Graphics =スケーラブル・ベクター・グラフィックス)

https://clarity.design/icons


上記 Web サイト上ではキーワードの絞り込みや、Solid(白抜き)への変更、Warning や Alarm のバッチを付けたりデザインを確認して、そのまま Web 画面上で呼び出すための CSS のコードもコピー可能です。(Clarity Icon は MIT ライセンスで提供されます

※ Clarity の Github Project の URL は以下
https://github.com/vmware/clarity

今回は Clarity Icon を PowerPoint 用のアイコンとして利用したいので画面上部の「Download All SVG Sets」をクリックして一括ダウンロードします。

ダウンロードした clarity-assets-master.zip を解凍しフォルダを開くと、
\clarity-assets-master\icons 配下に Clarity Icon でのカテゴリに合わせてサブフォルダが用意されています。
例えば technology フォルダを開くと各種の IT で使えそうなアイコンが多数確認できます。


※ Windows PC で SVG ファイルをサムネイル表示するためには別でプラグインアプリをインストールしておく必要があります。
参考までに私は以下を利用しています。
https://github.com/maphew/svg-explorer-extension/releases

アイコンファイルは SVG 形式で配布されるため、PowerPoint で自由に色を変えたり使うためには図形に変更する必要があります。

【追記】※ PowerPoint 2016 や Office 365 PowerPoint の バージョン 1909 (ビルド 12026.20264) 移行などで、
 SVG 形式の貼付時の設定が標準でサポートするようになり、ファイルを PowerPoint のスライド上にドラッグアンドドロップするだけで SVG としてすんなり貼り付け出来る様になったようです。
Office 2016 以降や Office 365 で最新バージョンの PowerPoint を利用している場合は以下の変換作業は不要です。

PowerPoint バージョン 1909 (ビルド 12026.20264)  未満の場合


試しにSVG ファイルをExplorer上でコピーして PowerPoint に貼付してみます。
(デフォルトだと SVG Document オブジェクトとして貼付されます)
SVG ファイルはベクター画像なので拡大縮小しても画像がぼやけたり潰れたりせず便利ですが、PowerPoint で利用する際にそのままでは「塗りつぶしの色」「線の色」を指定すると下のように塗り分されたり、全ての枠線に色がついてしまいます。
そこで必要となるのが、画像を右クリックして「図形に変換」(またはメニューから > 書式 > 図形に変換)を実行して、Office 描画オブジェクトに変換する操作です。


変換後、見た目は変わりませんが右クリックで表示されるメニューが異なるのが分かります。
まず目的のアイコンに背景の枠が重なっているので「グループの解除」を実行しておきます。

グループを解除すると枠のオブジェクトが外せますので、選択して削除します。
枠を削除したら残りのオブジェクトを選択して、再度グループ化します。

再度グループ化するとアイコンは PowerPoint 標準の「図形の塗りつぶし」で自由に色付け出来ますし、グループ化したオブジェクトを個別に色変更する事も可能です。
この作業をすることで、拡大縮小しても画像がぼやけず、色も自由に編集できる万能アイコンが出来上がりますので、一つ一つ実行するのは手間ですが、使う頻度の高いものを変換して自身のアイコン集として纏めておくと使い勝手がとても良くなります。

Visio ステンシルから PowerPoint 用のアイコンを作成する方法

昔からの王道ですが、Visio のステンシルを PowerPoint 用アイコンに流用する事も可能です、
私もネットワーク図や構成図書く際に Visio もよく使っていましたが、Visio のステンシルを PowerPoint 等に「拡張メタファイル」として書式指定してコピーする事でPowerPoint 上で拡大縮小しても画質が崩れないアイコンを作る事が出来ます。

メジャーなところでは Visio Cafe で公開されている各メーカーアイコンがとても役に立ちます(Cisco や DellEMC はそれぞれのメーカーサポートサイトで Visio ステンシルを公開しています)。
※ 編集には Microsoft Visio のライセンスが必要です。
http://www.visiocafe.com/index.htm

個人的には「NetApp」の「CableConnecters」のステンシルが電源形状やネットワーク系ブル形状を分かりやすく表現できるので重宝していました。

ダウンロードしたステンシルを Visio の個人用図形に取り込み、

適当に図面に置き、それを選択 > Ctrl+C でコピーし、


PowerPoint 上で 「形式を選択して貼り付け」 > 「図(拡張メタファイル)」で形式指定して貼り付けます。
個人的には昔から NetApp の 3D のは妙に凝った電源形状やコネクタ形状をきれいに表現しているのでいろいろ活用しています。

※ 注意 :普通に PowerPoint に貼り付けると「Microsoft Visio 図面 オブジェクト」形式で貼り付ける事になり激烈にファイルサイズが大きくなるのでやめた方が良いです。多数のアイコンに一つでもこれが紛れると後から探すのが大変なので、常に「図(拡張メタファイル)」で貼り付ける癖をつけた方が良いです。


私は気に入ったステンシルから拡張メタファイルに変換したものや、上の方で紹介した Clarity Icon、各製品の PNG 形式のアイコンやメーカーロゴを自分用のアイコンテンプレートファイルに一纏めにして使いたいときにいつでも使えるようにしています。

意外な盲点、最近の PowerPoint 標準アイコンを利用する

最後に、最近の Office 2016/2019 や Office 365 に標準で実装されているアイコンの挿入機能も今風のフラットデザインのアイコンが揃っているので、一度使ってみるもの良いかと思います。
Office 2000/2003 の頃の妙にアメリカンな雰囲気のアイコンしかなかった頃から比べたらだいぶデザインも種類も進化しています。

標準のアイコンもベクター画像として格納されており、サイズ変更も色の変更ももちろん可能で、シンプルなデザインのアイコンが多く揃っています。

おまけ : InkScape を利用して vCenter 内のアイコンファイルから画像を抜き出す方法

"svg-sprite.svg" ファイルなどは SVG の中で画像がグループ化されているので、そのままでは PowerPoint で画像を抜き出すのは面倒です。

ここでは フリーソフト の InkScape <https://inkscape.org/> を利用した方法をご紹介します。
まず、vCenter から取り出した "svg-sprite.svg" ファイルなどを InkScape で開きます。
開いた画像を右クリックして「グループ解除」を実行します。

そして必要なアイコンを選択して、さらに「グループ解除」を実行。

するとアイコンが画像右上の方に移動してオブジェクトがばらされた状態になります。
少し面倒ですが、対象のアイコンが崩れないように選択して、再度グループ化してコピーします。

PowerPoint で「形式を選択して貼り付け」を選び、「図(拡張メタファイル)」として貼り付けます(画像 InkScape SVG として貼り付けても利用可能です)

この後は、上の方で書いたようにグループ化の解除と再グループ化を利用して余計なオブジェクトを取り除けば今風の Web UI で利用されている vCenter アイコンなどを抽出する事が可能です。

以上、長々と書きましたがベクター画像として拡張メタファイルのアイコンを集めておくと資料作成が捗り、見た目も統一された良い感じの資料が出来ると思いますので活用してみて下さい。

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