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2025年10月16日木曜日

VMware Workstation Pro 25H2 と VMware Fusion Pro 25H2 のリリース

"VMware Desktop Hypervisors" として無償化され、そろそろ一年が経つ VMware Workstation Pro と VMware Fusion Pro 。

ダウンロードの仕方が分かりにくい、今後のサポートが不安、いきなり有償化されるかもしれないから怖い、などなど、色々と文句言われることの多かった1年ですが、待望の新バージョンが 2025/10/14 (日本時間 10/15) にリリースされました。

VMware Workstation Pro 25H2 と Fusion Pro 25H2 のリリース情報

リリースノートは以下から確認できます。

公式の VMware Blogs での紹介はこちら

今回は FAQ も用意されています


今回から、バージョンナンバリングが、Workstation 17.x や Fution 13.x といったそれぞれ重ねてきたのバージョンから、 "25H2" などリリース時期を示したカレンダーバージョンに変更されます。

内部的には VCF など他の製品と同じ様なバージョンナンバリングになりました。

25H2 = 25.0.0.24995812

といった感じに、Workstation、Fusion ともに Version 25.x から再スタートした感じなので、来年にリリースされるものは Version 26H1 = 26.0.0.x のようなバージョンになると思われます。

機能としては従来からの Desktop Hypervisor の着実な強化が進み、Workstation Pro 25H2では次の強化が入っています。あくまでも前バージョンからの継続進化であり、メジャーバージョンアップとしてガラッと変わったわけではないようです。

  • USB 3.2 のサポート
  • Hardware version v22 のサポート
  • Hyper-V/WHP detection のサポート
  • 新しいゲスト OS のサポート
    • Red Hat Enterprise Linux 10
    • Fedora Linux 42
    • openSUSE Leap 16.0 (RC)
    • SUSE Linux 16 (Beta)
    • Debian 13
    • Oracle Linux 10
    • VMware ESX 9.0
  • 新しいホスト OS のサポート
    • Red Hat Enterprise Linux 10
    • Fedora Linux 42
    • openSUSE Leap 16.0 (RC)
    • SUSE Linux 16 (Beta)
    • Debian 13

Fution Pro 25H2 の方は次の強化が入っています。

  • USB 3.2 のサポート
  • Hardware version v22 のサポート
  • 新しいゲスト OS のサポート
    • Red Hat Enterprise Linux 10
    • Fedora Linux 42
    • openSUSE Leap 16.0 (RC)
    • SUSE Linux 16 (Beta)
    • Debian 13
    • Oracle Linux 10
    • VMware ESX 9.0 (Intel ベースのホスト OS のみ)
    • macOS Tahoe (Intel ベースのホスト OS のみ)
  • 新しいホスト OS のサポート
    • macOS Tahoe (Intel ベース と Apple Silicon)


公式 Blog には VMware Workstation Pro 25H2 では最近の CPU として Intel Lunar Lake / Arrow Lake / Meteor Lake がサポートに加わった旨の説明があります。ただし、P-Cores / E-Cores を持つ Hybrid CPU としての機能をフルサポートしているわけではなさそうです(後述)。※ Community で動作報告が出始めたので正しく動いているのかも?


サポートされるゲスト OS の詳細については Broadcom Compatibility Guide から [Guest OS] を参照し、"Fusion"、"Workstation" のチェックを入れて確認してみてください。

※ ただし、2025/10/15 のリリース日時点ではまだ最新バージョンの情報が反映されていませんでした。

Broadcom Compatibility Guide の利用方法については、以下の VMware Japan Blog の方にまとめましたので併せて参照してください。


VMware Workstation Pro 25H2 と Fusion Pro 25H2 のダウンロード

Broadcom Support Portal にソフトウェアダウンロードが移管されて以降、「ダウンロードしにくい」「ダウンロード方法がよくわからない」という声が SNS に上がっていましたが、そんなに難しいものではないので、ポイントだけ記します。

なお、その他 VMware ソフトウェアのダウンロード方法全般については、以下の VMware Japan Blog の方にもまとめてありますので参照してください。


第一前提で Broadcom Support Portal のアカウントがないと当然ダウンロードはできません。上記 Blog 記事の前半に手順が書いてあるので必要に応じて準備してください。

なお、Gmail などのフリーメールアドレスを利用したアカウントでも Workstation Pro など無償化されたフリーソフトウェアはダウンロードできます。


ダウンロードページ

Broadcom Support Portal にログインし、「My Downloads」を開くと商用ライセンスについてはアカウントに割当(エンタイトルメント)があるものダウンロード可能ですが、フリーメールアドレスなどで作成したアカウントでは何も表示されていないはずです。

画面上部にある「Free Software Downloads available HERE」をクリックしてフリーソフトウェアのページに移動します。


Workstation Pro と Fusion が並んでいるのが確認できるはずです(テキストでフィルタリングできます)


それぞれの直リンクは以下。


ダウンロードボタンが押せない!というときはだいたい左上の「I agree to theTerms and Conditions (利用規約に同意) 」のチェックが入っていないときです。リンク先の End User Agreement / Product Specific Documentation ページを開けばチェックが入れられます。


これでダウンロードが可能になります。


アカウントに住所情報などが入力されていない場合、輸出入コンプライアンスに関しての追記が求められます。適切な情報を入力し、「I Agree (同意する)」にチェックをいれてください。




VMware Workstation Pro 25H2 のインストール

Apple Silicon の Mac は仕事用で使っているのでリソース管理的に Fusion 入れられないので、手持ちの Windows 機でインストールを試してみます。

手順については公式 Techdocs にまとまっているので参照してください。

既存 Workstation Pro からのバージョンアップ

ポイントとしては、既に以前のバージョンの Workstation Pro がインストールされている場合は、一旦アンインストールしてから 25H2 をインストールすることが推奨されています。

アンインストールはプログラムの「変更」から起動するメニューに沿って進めます。


アンインストールせずに直接アップグレードすることもできますが、何等か問題が起きた場合はアンインストール、新規インストールをおすすめします。

なお、アンインストール時に既存の構成情報を残しておくことで、新規インストールした Workstation Pro は以前の構成情報(仮想マシンの登録情報やネットワーク設定)が引き継がれます。


製品ライセンス情報は既に無償化されたバージョンであるため残しておく必要はないので、チェックを外してしまっても問題ありません。


Hyper-V、Windows Hypervisor Platform (WHP)、仮想化ベースのセキュリティ (VBS) が有効化されたホスト OS へのインストール

Workstation Pro 15.5.5 以降では Windows ホスト OS 上で Hyper-v / WHP / VBS が有効になっている場合でも Workstation Pro をインストールし、ホスト VBS モードで仮想マシンが実行可能になりました。

上記が有効な場合、仮想マシンを実行する Hypervisor は VMware Workstation ではなく、Windows Hypervisor Platform (WHP) が利用されます。


Workstation Pro 17.x まではインストール時に自動で判別され、ホスト VBS モードが有効になるため、特に気にする必要なかったのですが、ホスト VBS モードが有効な場合は Nested VM がサポートされないなど一部の制限がありました。

25H2 からはインストール時にホスト VBS モードが有効か否かをメッセージしてくれます。


Hyper-v / WHP / VBS を無効化する場合

明示的にホスト VBS モードを使用しない場合は、インストール前に無効化することができます。

※ ただし、現在の Windows OS のセキュリティの一部を担う重要な機能でもあるため、Nested VM を動かすなどの予定がない限りはホスト VBS モードを利用したほうが安全です。
また、ホスト OS で WLS2 使う場合などは Hyper-v の有効化が必要なので、そうした環境で利用する場合は Workstation での Nested VM は諦めて
ホスト VBS モードを利用してください。

Hyper-v を無効化する場合は、「プログラムと機能」> 「Windows の機能の有効化または無効化」から Hyper-v / WHP 関連のサービスのチェックを外します。※ WHP は他の VBS 系機能が有効だと再有効化される場合がある。


手順の詳細はマイクロソフトの KB も参照。


つづいて 仮想化ベースのセキュリティの無効化(Device Guard、Credential Guard の無効化)。Hyper-v 無効化したはずなのになぜか VBS モードが検知されるときは恐らくこれが有効になっています。

仮想化ベースのセキュリティの状態は msinfo32.exe 起動すれば確認できます。

分かりにくい設定だと、デバイスセキュリティのコア分離もこの機能の一つ。既定値で VBS を利用するメモリ整合性が有効化されていることが多いので無効化が必要です。

「デバイスセキュリティ」 > 「コア分離」


「メモリ整合性」のチェックを外す


これら設定することで msinfo32.exe で「仮想化ベースのセキュリティ」が無効化されたことが確認できるはずです。


これでようやくホスト VBS モードが無効化できます。非常に面倒ですし WLS2 使えなくなりますし Windows OS としてのセキュリティリスクも高まるので、必要な場合のみこの設定を利用してください。



VMware Workstation Pro 25H2 で気付いた点

自動更新はまだ利用できず

2025年3月のオンラインリポジトリの仕様変更以降、自動更新が使えなくなっていますが、このバージョンでも同様でした。

「現時点ではアップデートに接続できません」KB 395172 のリンクが含まれるメッセージが表示されますが、このメッセージ自体も一つ前の Workstation Pro 17.6.4 から特に変わらず... 


Hybrid CPU は公式には非サポートのまま?

今回は公式 Blog の記事にて VMware Workstation Pro 25H2 で Intel Lunar Lake / Arrow Lake / Meteor Lake がサポートに加わった旨の説明があります。

かし、P-Cores (Performance-cores) / E-Cores (Efficient-cores) を搭載する Hybrid CPU (Performance Hybrid Architecture CPU) は公式には非サポートのままのようです。

※ 私自身が手持ちでこれら Hybrid CPU の検証機を持っていないので実機確認できていませんが、リリースノートや Techdocs から関連の記載が見当たらず、恐らく修正は入っていないものと思われます

試してみて適切に動いた場合は是非、Broadcom Community などでご報告いただけると助かります。

2025/10/21 追記

※ Community で動作報告が出始めたので正しく動いているのかも?


※ 過去のバージョンで Hybrid CPU を利用する場合は Broadcom Community (旧 VMTN) や William Lam 氏の Blog などで CPU コアをアフィニティで固定する方法などが紹介されているので、各自必要に応じて試してみてください。

William Lam 氏の Blog からいくつか関連情報


2025年8月6日水曜日

vSphere 9.0・vSAN 9.0 関連のテクニカルペーパー、ベストプラクティスガイドの公開

VCF 9.0 (vSphere 9.0 / vSAN 9.0 / NSX 9.0 / etc) のリリース後、それぞれ新バージョンに対応した各種テクニカルペーパー、ベストプラクティスガイドがリリースされました。

各ダウンロードリンクは以下の VMware Technical Papers / VMware Resource Center から過去のもの含めて入手できます。


vSphere と vSAN の新バージョン対応のテクニカルペーパーのリンクを以下にまとめておきます。

すべて英語版の PDF での公開となりますが、おすすめの利用方法は、PDF をローカルドライブやクラウドストレージにダウンロードし、ChatGPT や Gemini などの LLM に取り込み、活用する方法です。和訳したりポイントを絞って必要な箇所を確認することも簡単に行えます。

vSphere 9.0 関連

鉄板の Performance Best Practices for VMware vSphere の 9.0 版に加えて、新機能 NVMe Advanced Memory Tiering に関してのテクニカルペーパーもリリースされました。

vSAN 9.0 関連

vSAN 関連のテクニカルペーパーも、vSAN ESA、vSAN ESA Storage Cluster (旧称 vSAN Max) に対応した VCF 9.0 との組み合わせでのガイドが一通り揃いました。

vSAN 9.0 (vSAN OSA / vSAN ESA) に対応したデザインガイド、オペレーションガイドなど導入、運用時に約立つガイドです。

ストレッチクラスタや 2 Node vSAN などの構成についてもガイドが更新されました。

意外と重要なパフォーマンストラブルシューティングガイドも 9.0 に対応。
vSAN OSA と vSAN ESA それぞれの観点でのトラブル時の切り分け方法、メトリクスの読み方などが解説されています。

その他、vSAN のデータ配置、可用性、暗号化などの基本機能の Deep Dive に加えて、ファイルサービス、iSCSI ターゲットについての解説もまとまっています。

また、以前 Core Techzone にて公開されていた vSAN のバージョン別機能比較表 (Featuer Matrix) や FAQ も最新バージョンに対応した形で公開されました。

FAQ は現時点で112個も Q&A が載っていいるので、おそらく皆さんの疑問に思ったことも載っていると思います。ご活用ください。


Advanced Services

Private AI Foundation や Tanzu Platform に関するテクニカルペーパーも公開されています。



ちなみに、今年の4月に出版した VMware vSphere 徹底入門 は、前バージョンの vSphere 8.0 Update3 Performance Best Practices や、vSAN Design Guide から多くの情報を取り入れています。

vSphere 9.0 / vSAN 9.0 にも通じる各種 Tips を盛り込んていますので、日本語の技術書として今後も活用できますのでぜひ手にとって見ていただければ幸いです。

    【 VMware vSphere 徹底入門 】





2025年7月4日金曜日

エンタイトルメントのないアカウントでの VMware ESXi ・ vCenter のパッチダウンロード方法 (復刻版)

 3月に書いた記事、「2025年3月以降の vSphere ESXi ・ vCenter のパッチダウンロードとアップデート方法」で解説しましたが、
2025年2月末の Broadcom Support Portal サイトのシステム変更でソフトウェアダウンロードの仕組みに変更が入り、Broadcom Support Portal サイトを経由でのソフトウェアのパッチファイルのダウンロードが一部制限が入りました。

その結果、以前は可能だった「製品エンタイトルメントのないアカウント」、「製品 SnS、サブスクリプションの期限が切れたアカウント」でのパッチダウンロードが不可となってしまいました。

これらの制限については、6月辺りから再び緩和され、VMSA で報告される Severity  : Critical な脆弱性に関する修正パッチは、エンタイトルメントのないアカウントでもダウンロードできるようになりました。


今回の修正により、もともと昨年に CEO の Hock Tan が Blog : A changing market landscape requires constant evolution: our mission for VMware customers で表明していた

"To ensure that customers whose maintenance and support contracts have expired and choose to not continue on one of our subscription offerings are able to use perpetual licenses in a safe and secure fashion, we are announcing free access to zero-day security patches for supported versions of vSphere, and we’ll add other VMware products over time."

、および

KB : Zero Day (i.e., Critical) Security Patches for vSphere (7.x and 8.x) Perpetual License Customers with Expired Support Contracts にて説明されている Severity : Critical - CVSS Score 9 以上の脆弱性に関するパッチの提供が再開されたことになります。


修正パッチのダウンロードリンクにアクセスする方法は主に以下2つ

それぞれ簡易に紹介します。

※ どちらのパターンも事前に有効な Broadcom Support Portal のアカウントを作成し、必要情報を入力して Profile を完成させておきます。

2025年6月18日水曜日

無償のハンズオンラボで VCF 9.0 を体験してみよう

※ 2025/10/30 HOL 日本語コースの追加について追記しました。

VMware Hands-on Labs (HOL) は Broadcom が提供する無料のオンラインラボサービスです。

インターネットアクセスと Web ブラウザさえあれば、いつでもどこでも VMware の様々な製品を実際に操作し、体験することができます。

仮想化技術やクラウド製品を、実際に環境を構築することなく、気軽に試せる学習プラットフォームとして広く利用されている他、ちょっとした動作確認や手順確認にも活用できる Web サービスです。



※ HOL を利用するためには Broadcom サポートポータルのアカウントを作成の上、ラボを利用する上でのプロファイルを入力する必要があります。

以下の KB を参照の上、事前にアカウントを作成してください。


    ※ 多くの方に VCF 9.0 HOL を操作していただきたい意向から、今週中は各 HOL の時間が60分に制限され、時間延長も行えません。来週以降は通常運用に戻る様です。以下の警告が表示されたら「Acknowledge」をクリックして進めてください。

    VCF 9.0 HOL Catalog

    今回、VCF 9.0 のリリースと同時に早速 VCF 9.0 の各種機能を体験できるラボが追加、公開されました。

    VCF 9.0 GA タイミングでリリースされたラボは以下のリンクから確認できます。

    または画面右側の「Catalogs」メニューから「VCF 9.0 GA」にチェックを入れてください。


    2025/6/17 (日本時間 6/18) の GA 時点では以下の 5つの VCF 9.0 ラボが公開されました。今後も追加されていく予定のようです。


    What’s New in VMware Cloud Foundation 9.0 - Platform (HOL-2610-01-VCF-L)

    VCF 基礎の基礎、"VCF 9.0 の概要"

    この HOL では VCF の Core インフラ機能について操作できます。

    • VMware Cloud Foundation の概要
    • VMware Cloud Foundation インストーラ
    • NSX 仮想プライベートクラウド (VPC) で生産性の向上

    What’s New in VMware Cloud Foundation 9.0 - Automation (HOL-2610-02-VCF-L)

    VCF 9.0 に組み込まれた自動化とテナント管理機能、"VCF Automation"

    この HOL では VCF に組み込まれた VCF Automation (旧称 Aria Automation) の機能をはじめとした、テナント管理や vSphere Supervisor、vSphere Kubernetes Service (VKS) の機能の一端を操作できます。

    • テナントと組織 - 管理と運営
    • モダンアプリケーションの構築
    • モダンアプリケーションのデプロイ

    What’s New in VMware Cloud Foundation 9.0 - Operations (HOL-2610-03-VCF-L)

    VCF 9.0 の新しい運用方法、"VCF Operations"

    この HOL では VCF に組み込まれた VCF Operations (旧称 Aria Operations )などの機能を利用した VCF の運用、プラットフォームの管理を体験できます。 

    • VCF 健全性&診断によるプライベートクラウド基盤の監視
    • プライベートクラウドにおけるネットワーク運用
    • プライベートクラウドにおけるストレージ運用
    • プライベートクラウドにおけるセキュリティ運用
    • チャージバックの仕組み

    VMware vSphere 9 - What's New with vSphere in VMware Cloud Foundation 9.0 (HOL-2630-01-VCF-L)

    VCF 9.0 の屋台骨を支える基礎の基礎、"vSphere 9 What's New"

    この HOL では VCF の概要 : HOL-2610-01-VCF-L よりも深く、vSphere 9 の各種新機能の操作、学習ができます。

    • vSphere 9 の新機能概要
    • vSphere Lifecycle Manager - vLCM 並列修復
    • リソース管理 - DRS、vMMR、CPU トポロジとレイテンシの強化
    • ゲスト OS とワークロードの改善
    • ベンダー混在クラスタ - ライフサイクル管理
    • LivePatch - ライフサイクル管理
    • NVMe Memory Tiering ‐ メモリ階層化の概要
    • vSphere のライセンスと運用

    Unifying VM and Kubernetes Management with vSphere Supervisor (HOL-2633-01-VCF-L)

    vSphere Supervisor による VM と Kubernetes 管理の統合、"vSphere Supervisor と vSphere Kubernetes Service (VKS)"

    この HOL では vSphere 上でのコンテナサービスの展開を司る vSphere Supervisor と vSphere Kubernetes Service (VKS) の操作を体験できます。

    • vSphere Supervisor とは?
    • vSphere Supervisor の活用例
    • vSphere Supervisor を使用したクラスタとアプリケーションの導入


    ※ 2025/9/2 追記

    VMware Explore 2025 Las Vegas の開催に合わせて、多数のラボが追加されました。
    ラボの種類がだいぶ増えていますので、お好みのものを探してみてください。

    https://labs.hol.vmware.com/HOL/catalog?catalogs=Explore%20Labs%202025


    日本語対応 HOL の追加

    ※ 2025/10/30 追記

    2025/10/29 に開催された Explore on Tour 2025 Tokyo の HOL 向けに、以下の6つのコースが日本語化されました。


    また、ドキュメントが日本語に対応した HOL コースは、左のメニューから「Languages」: 日本語 にチェックを入れると絞り込めます。 



    今後、その他の HOL メニューが追加されたら、続きを追記したいと思います。


    HOL の操作

    HOL の基本的な操作方法は過去に様々な方が投稿しているのでそれらを参照してください。

    HOL にアクセスができない場合

    2025/9/1 から HOL アクセスは Gmail などフリーメールで作成したアカウントでは利用できなくなりました。

    組織または会社のメールアドレスで作成したアカウントに、上記 KB の手順で説明されている「VMware Hands-on Labs Access」をアカウントプロファイル上で有効化してご利用ください。

    従来の HOL デスクトップとの違い

    従来、HOL 環境に入ると Windows Desktop 上のブラウザ(Firefox や Chrome)や各種ツールを操作していました。

    新しい VCF 9 HOL では Ubuntu Desktop とブラウザ(Firefox) を利用した操作に変更され、以前より軽快に動作するようになりました。


    デスクトップ上の  README.txt や PASSWORD.txt はログイン情報などが記されているのでコピペで活用できます。

    現在の HOL は英語版のみで提供されていますが、ブラウザの設定を変えたり、各 UI の言語表示を変更することで日本語表示で UI を操作することもできます。

    Nested ESXi ホストのリソースも強化済み

    HOL 環境内の ESXi の構成を確認すると、親 ESXi の CPU は Sapphire Rapid 世代の Xeon 6448Y が使われているのがわかります。

    vCPU は 12 個と若干抑えめですが、メモリも 96GB 割り当てられているので Nested HOL 環境としては十分な量です。


    以前の HOL 環境や、VCAP Deploy 試験の Lab のように動きが緩慢ということはなく、非常にサクサク動いてくれます。


    VMware Lab Platform コンソール UI の日本語化

    HOL のコンソール自体は多言語対応しているので日本語に切り替えられます。


    コンソールを日本語表示にすると上部のバーの表示が日本語に切り替わります。


    英語版ラボマニュアルの日本語化

    英語版のみで提供されているラボマニュアルの場合、皆様がご利用のブラウザの翻訳機能で十分理解可能な日本語に翻訳可能ですので、日本語でのラボマニュアルが必要な場合はそのようにご利用ください。

    次の画面は、先の画面を Chrome のページ翻訳機能でまるっと日本語化したものです。


    少し変な翻訳もありますが、年々翻訳の精度も上がっており、ほぼ違和感なく技術用語も読めるはずです。ラボマニュアルのページを送っても日本語訳がそのまま追従反映されるので便利です。

    もし理解に悩む文言があれば、そのときは原文を確認してください。

    VCF / vSphere 操作 UI の日本語化

    vSphere Client や VCF Operations の UI は標準で表示言語の切り替え機能が提供されていますが、時間制約のある HOL では都度操作するのは面倒です。

    その際は、ブラウザのページ表示言語を日本語に切り替えることで、Firefox で開いた vSphere Client や VCF Operations のページが自動的に日本語版で表示されます。

    ※ GA 時点では HOL Desktop 内の Firefox には言語パックや翻訳言語パックはインストールされていませんが、ページ表示言語の変更で Japanese を指定しておくことで vSphere Client などは日本語表示が可能です。言語パックの事前インストールは別途リクエスト中。

    Firefox のページ表示言語の変更は、右上のハンバーガーメニュー "≡" から "Settting" を開きます。 


    設定メニューの検索窓に " Lang " と入力し、言語設定系のメニューを表示します。


    表示言語を日本語 " Japanese [ja] " を指定し、" Add " します。


    日本語が最上位にあれば " OK " をクリックし、設定画面を閉じます。


    vSphere Client や VCF Operations、VCF Automation の UI を開けば日本語ログイン画面が表示されます。


    ログイン後も日本語表示で操作可能です。


    Firefox の言語設定を操作しない場合でも、vSphere Client や VCF 各種コンソールのユーザー設定、Account > Preferences の設定メニューから日本語を指定して、UI を日本語表示にすることももちろん可能です。



    VCF Automation など一部のツール UI の日本語化

    VCF Automation など一部のツールのブラウザの表示言語設定を日本語に変更しても自動で表示が変更されない場合があります。

    また、初回ログイン時に表示言語設定をするための "Preferences" メニューが表示されない場合があります。その場合は一旦ログアウトし、再ログインすることで表示されます。 ※ バグとして報告中。


    VCF Automation などで画面が日本語表示にならな場合があります。


    その場合は、右上のアカウントメニューから "My Account" を選択。


    しかし、次の画面のように言語表示を変更するための "Preferences" が表示されないときがあります。


    その場合は、一度コンソールをログアウトして、再ログインしてください(HOL を終了・ログインしないようにご注意)。


    無事に表示されたら、日本語 "Japanese" を選択します。


    画面を更新すれば、VCF Automation の日本語化が完了です。


    HOL Desktop のサイズ変更

    HOL Desktop のサイズもご利用のモニタのサイズに合わせて自動で拡大縮小されます。快適な操作のためにはなるべく大画面のモニタを利用することが推奨されます。

    例えば右側のラボマニュアルのメニューは閉じたり開いたり、またはポップアップで浮かすことが可能です。

    その分、HOL Desktop の解像度が上がり、広くデスクトップの UI が利用可能になります。


    ラボマニュアルを >> のマークをクリックして閉じると


    画面が拡大し、HOL Desktop も追従して解像度が大きくなります。


    HOL ラボマニュアルのダウンロード

    現在の HOL のラボマニュアルは各 HOL セッションのリソースタブから PDF で表示、ダウンロードが可能です。

    リソースタブを開き、ラボマニュアルのダウンロードをクリックします。


    PDF のダウンロード、またはそのままブラウザで表示ができますので、ラボマニュアルは別のディスプレイで表示しながらラボを操作することも可能です。



    HOL はこれからも沢山のメニューが追加され、より多くの機能を試せるようになります。

    アップデートが確認できたら追記していきたいと思います。





    2025年4月14日月曜日

    vSphere Hypervisor (無償版 ESXi) の提供再開と入手方法、通常版との比較

    2025年4月10日(日本時間11日)に公開された ESXi 8.0 U3e (P05) のリリースノートに、vSphere Hypervisor (無償版の ESXi)の提供再開が追記されました。

    Broadcom makes available the VMware vSphere Hypervisor version 8, an entry-level hypervisor. You can download it free of charge from the Broadcom Support portal (https://support.broadcom.com/group/ecx/free-downloads).

    ※ 4/15 追記 : KB の説明に若干の追記があったので以下参照

    Broadcom makes available the VMware vSphere Hypervisor version 8, an entry-level hypervisor. 
    No Broadcom support is available for this offering and it is for non-production use. vSphere Hypervisor cannot connect to vCenter and therefore cannot be centrally managed. 
    You can remotely manage individual vSphere Hypervisor hosts by using the VMware Host Client. vSphere Hypervisor supports a maximum of 8 virtual CPUs per virtual machine. 
    You can download it free of charge from the Broadcom Support portal (https://support.broadcom.com/group/ecx/free-downloads).

    ※ 元々 vSphere Hypervisor の提供は Broadcom による VMware の買収完了後に提供が終了となっていましたが、改めて提供方法を変更して再開されました。

    本投稿では再開された vSphere Hypervisor のバイナリの入手方法、通常版の ESXi との違い、従来の vSphere Hypervisor との違いなどを解説します。

    本投稿の内容

    vSphere Hypervisor (無償版の ESXi) の入手方法

    前回の投稿「2025年3月以降の vSphere ESXi ・ vCenter のパッチダウンロードとアップデート方法」の冒頭で記しましたが、2025年2月末の Broadcom サポートポータルのソフトウェアの配布方法の変更により、有効なサブスクリプションを持つユーザーがダウンロードできるソフトウェアと、フリーで提供されるソフトウェアのダウンロードが明確に分けられました。

    昨年末に無償化された VMware Workstation Pro や Fusion Pro はフリーで提供されるソフトウェアに分類されていましたが、今回の vSphere Hypervisor も同様のカテゴリにて配布されます。

    Broadcom サポートポータルのアカウントが未作成の場合は作成してください。Gmail などフリーメールアドレスを利用したアカウントの場合も、今回の vSphere Hypervisor や VMware Workstation Pro など無償化された製品はダウンロードできます。


    Broadcom サポートポータルの「My Download」を開くと、従来はサブスクリプションのエンタイトルメントを持たないアカウントでも全製品の一覧が表示されましたが、2025年3月以降は非表示となります。

    Free Software Downloads available HERE のリンクをクリックし、https://support.broadcom.com/group/ecx/free-downloads を開きます。

    VMware 以外のソフトウェア製品も表示されるのでフィルタする場合は Division 欄で VMware のチェックを入れるか、


    Product Name を "VMware" などで絞り込んでください。 Workstation Pro や Fusion Pro に並んで、下の方に "VMware vSphere Hypervisor" がリストされます。
    ※ 今回、併せて "VMware vSphere ESXi Drivers" も追加されました。


    2025年4月11日時点では Release Note にある通り、ESXi 8.0U3e (P05) のみが表示されています。


    再公開された vSphere Hypervisor のダウンロードは ISO イメージのインストーラファイルのみが公開されており、オフラインバンドル (オフラインデポ)の Zip ファイルは無いようです。

    ダウンロード直リンク

    右側の雲のアイコンをクリックしてダウンロードできます(初めてダウンロードするときは "I agree to theTerms and Conditions" のチェックボックスが表示されるのでエンドユーザー規約を確認の上、チェックを入れてください)。


    アカウントに住所設定がされていない場合、製品輸出入規制の制約に関連して、アカウントに国、住所などの連絡先が設定されてる必要があるためメッセージが表示されます。画面に沿って必要事項を入力してください。


    "I agree to theTerms and Conditions" を以前にチェックしている場合はそのままダウンロードできるはずです。

    ここでダウンロード可能な vSphere Hypervisor の Build 番号は、Release Note に書かれている 24674464 と異なり、24677879 と表示されています。この違いについては後述します。

    ISO イメージがダウンロードできたら、今まで通りインストーラとして初期セットアップに利用したり、既存の vSphere Hypervisor のバージョンアップに利用できます。

    通常版の ESXi と vSphere Hypervisor は何が違うのか?

    落とした ISO を比べてみると無償版の vSphere Hypervisor のほうが Build No が大きく、ファイルサイズも僅かに大きい。

    • (通常版) VMware-VMvisor-Installer-8.0U3e-24674464.x86_64.iso 648341504
    • (無償版) VMware-VMvisor-Installer-8.0U3e-24677879.x86_64.iso 648374272

    通常版の ESXi 8.0 U3e は Build No 24674464 でファイルサイズは 648,341,504 Byte、無償版の vSphere Hypervisor ESXi 8.0 U3e は Build No 24677879 でファイルサイズは 648,374,272 Byte

    Metadata 内の BaseImage のコンフィグを見比べるとコアパッケージと一部のドライバ周りで9個ほどそれぞれの Build No のものがありますが、基本的には同一のようです。

    イメージプロファイルも同じように Build No 入りで別のプロファイルです。

    • ESXi-8.0U3e-24677879-standard
    • ESXi-8.0U3e-24677879-standard

    vSphere Hypervisor (無償版の ESXi) のライセンス状態

    無償版 ESXi 8.0U3e は新規インストールすると無期限の vSpehre Hypervisor ライセンスが適用された状態で起動します。

    機能は従来の vSphere Hypervisor と同じく、8 vCPU までの VM をサポートする制限がかかっています。当然、vCenter Server 配下iに登録することなどはできず、Standalone での利用が前提です。

    ※ ライセンスキーは無償版とはいえ直接公開するのはよろしく無いので各自で確認してください。

    デフォルトで入っている vSphere Hypervisor ライセンスキーを削除すると、期限切れの状態となり、仮想マシンの作成・起動含めた操作ができなくなります。

    新規インストールした際の 60日評価モードは利用できないので、それらが必要な場合は通常版のインストーラを利用します。


    再度、vSphere Hypervisor のライセンスキーを当て直したり、別の商用ライセンスキーを適用することは可能です。

    vSphere Standard や vSphere Foundation などのライセンスキーを適用すれば通常の ESXi と同じく vCenter Server に組み込めます(商用ライセンスキーの適用はサポートされる構成です)

    ちゃんと機能も限定解除されます。

    Build No、イメージプロファイルが通常版とは異なりますが、今後パッチを適用する際にプロファイルを更新することで Build No も通常版と同じになります。

    vSphere Hypervisor (無償版の ESXi) の ISO を利用したバージョンアップ時の操作、注意点

    再公開された vSphere Hypervisor (無償版の ESXi) は ISO イメージのインストーラのみで、Zip のオフラインバンドルはありません。

    既存で利用している vSphere Hypervisor をバージョンアップする際には ISO をマウントしてホストの再起動からアップデートを適用する方法で対応します。

    ※ ISO インストーラのみの提供なので、個別のドライバ VIB などをインストールしている既存環境の場合、バージョンアップができない場合があります。

    ESXi 8.0.x (ライセンス適用済み) に無償版 ESXi 8.0U3e を適用してみる

    ライセンスが適用された ESXi 8.0.x、または 60日評価モード期間中の ESXi 8.0.x に無償版 ESXi 8.0U3e を適用した場合、元のライセンスキー、または評価モード状態が維持されます。

    試しに ESXi 8.0U3 (ESXi-8.0U3-24022510-standard) に vSphere Foundation のライセンスを当てて無償版 ESXi の ISO でバージョンアップしてみます。

    60日評価モードの ESXi 8.0U3

    VVF ライセンス適用後の ESXi 8.0 U3

    無償版 ESXi 8.0U3e の ISO イメージをマウントして再起動、アップグレードを実行


    バージョンアップを実行後のイメージプロファイルは ESXi-8.0U3e-24677879-standard に更新されています。

    バージョンアップ前に適用したライセンスは維持されます。

    なお、60日評価モードを利用している ESXi をバージョンアップした際は評価モードの残日数が引き継がれます。

    ESXi 7.0.x (ライセンス適用済み) に無償版 ESXi 8.0U3e を適用してみる

    ESXi 7.0.x に vSphere Hypervisor ライセンスを適用した状態で無償版 ESXi 8.0U3e の ISO イメージを利用してバージョンアップしてみます。



    ISO からバージョンアップします。


    メジャーバージョンアップなので、評価モードに戻るよ、のメッセージ。

    メジャーバージョンアップ完了後、イメージプロファイルは ESXi-8.0U3e-24677879-standard に更新されています。

    ESXi 7.0.x のラインセンスは ESXi 8.0.x では利用できないので 60日評価モードで起動します。これは元々の通常版 ESXi でのメジャーバージョンアップ時の挙動です。


    vSphere Hypervisor のライセンスが適用された状態では起動しないので要注意。 無償版 ESXi 8.0U3e の vSphere Hypervisor ライセンスキーが必要な場合は、空き PC や Nested ESXi 上にインストールして、ライセンスキーをコピーしておいてください。

    60日評価モード状態で vSphere Hypervisor で利用できること以上の設定を行うと、vSphere Hypervisor ライセンスキーの適用ができないので注意してください。キーを当てる場合は当該機能の設定を初期値に戻す必要があります。

    ESXi 6.7.x (ライセンス適用済み) に無償版 ESXi 8.0U3e を適用してみる

    ESXi 6.7.x からのバージョンアップも ESXi 7.0.x のときと同様です。

    ESXi 6.7 以前と ESXi 7.0.x 以上では ESXi 起動領域のパーティションレイアウトが異なるため、アップグレード時のメッセージが異なります。


    再起動後、ESXi 8.0U3e は評価モードで起動します。vSphere Hypervisor ライセンスキーが必要な場合は前述した通り、別途新規でインストールした環境からキーをコピーします。

    vSphere Hypervisor (無償版の ESXi) の機能制限、利用規約

    機能制限

    vSphere Hypervisor の機能制限は従来通りで、Standalone で動く前提のため vCenter Server への接続はできず、vCenter Server が提供する機能 (Clone、vMotion、HA など) は利用できません。

    仮想マシンの作成 (1VM 辺り 8 vCPU まで)、削除、起動・停止、Snapshot の取得、OVF のインポート・エクスポートはサポートされます。

    ESXi として標準スイッチ (vSS) を利用した NIC チーミング、外部ストレージのマウンドなどはサポートされます。 

    PowerCLI や REST など API での仮想マシン操作などは非サポートなので要注意。

    利用規約

    EULA (End User License Agreement) は ESXi の以下で確認できます。

    /usr/lib/vmware/weasel/EULA

    内容は非常に長いテキストなので割愛しますが、公開された Web 上では以下の Broadcom の契約ドキュメントサイトに掲載されたものとおそらく同一です。

    製品ごとの細かいライセンス仕様については SPD (Product Specific Documentation) に記載があるのですが、vSphere Hypervisor としてのカテゴリは現状無いようです。

    Workstation Pro や Fusion Pro は VMware Desktop Hypervisor Pro として SPD があるので、これに準拠するのか? 情報が追加されたら追ってここにも記載します。



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