VMWorld 2021 が来週から始まりますが、それに合わせて vSphere の最新アップデートとなる vSphere 7.0 Update3 / vSAN 7.0 Update3 の情報がリリースされました。
※
ダウンロード可能になるのは VMWorld もあるので恐らく来週以降。
※ vSphere 7.0 Update3 に関しては重大な不具合が発覚し一旦差し戻しとなっております。Log4j 脆弱性に対する修正等が適用された、2022/1/27 にリリースされた vSphere 7.0u3c (vCenter 7.0u3c / ESXi 7.0u3c) 以降を必ずご利用ください。
公式のアナウンスはこちら
- Announcing vSphere 7 Update
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https://blogs.vmware.com/vsphere/2021/09/announcing-vsphere-7-update-3.html - vSphere 7 Update 3 -
What's New
https://core.vmware.com/blog/vsphere-7-update-3-whats-new - Announcing NVMe/TCP Support with VMware vSphere 7 Update
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https://blogs.vmware.com/vsphere/2021/09/announcing-nvme-tcp-support-vmware-vsphere-7-update-3.html - Announcing vSAN 7 Update 3
https://blogs.vmware.com/virtualblocks/2021/09/28/announcing-vsan-7-update-3/ - vSAN 7 Update 3 - What's
New
https://core.vmware.com/blog/vsan-7-update-3-whats-new - Intelligent Cluster Aware Shutdown and Start-up Workflows
https://core.vmware.com/blog/intelligent-cluster-aware-shutdown-and-start-workflows - What's New with vSphere 7 Update 3 Core Storage
https://core.vmware.com/blog/whats-new-vsphere-7-update-3-core-storage
今回も個人的に興味を持っている機能強化についてご紹介したいと思います。
今回も長文となってしまったので、それぞれのページ内リンクはこちらから
その前に、
-- 宣伝 --
VMWorld 2021 が来週 10/5 から開催されますが、今年も VMWorld Japan も 11月25日 ~ 26日にオンラインで開催予定です。
私も 11/25 (木) 12:50-13:30 に
MC11110
: VMware Cloud Foundation, VMware vSAN HCI インフラ設計 Deep Dive : 解説 マルチクラウド時代の VMware vSphere
クラスタ鉄板構成
というセッションでお話しさせていただく予定です。
お時間よろしければぜひ皆様の今後の仮想化インフラの設計の参考にご視聴頂ければ幸いです。
-- 宣伝終わり--
詳細は最初にリンクを記した公式 Blogs や Core TechZone の Blogs 記事にありますのでそれら参照願います。また、VMWorld 2021 でも詳細解説のセッションがありますのでそれらもぜひご覧ください。
vSphere 7.0u3 で気になるアップデート
インストール、アップデート、メンテナンス関連
ESXi の SD カード、USB フラッシュメモリ Boot の非推奨化
今月 KB が新たに公開されたり、vSphere 7.0u2 あたりから Docs のハードウェア要件あたりにも詳細が追記されていましたが、いよいよ SD カード・USB フラッシュメモリ Boot
が非推奨となります。
商用環境では各サーバーメーカーが用意している 32GB 以上、推奨は 128GB 以上の Boot 専用の M.2 SSD や SATADOM 等の利用が推奨されます。
- Removal of SD card/USB as a standalone boot
device option (85685)
https://kb.vmware.com/s/article/85685 - ESXi
のハードウェア要件
https://docs.vmware.com/jp/VMware-vSphere/7.0/com.vmware.esxi.install.doc/GUID-DEB8086A-306B-4239-BF76-E354679202FC.html
ざっくりまとめると、ESXi のブートパーティションのうち OSData と呼ばれるパーティションは、 vSAN や NSX をはじめとした ESXi Kernel と連動する機能のファイル、ログの他、VMware
Tools、Dump、Scratch など非常に多くの IO が発生する重要なパーティションで、
SD カードや USB フラッシュメモリの耐久性ではすぐに壊れてしまうので、耐久性と容量のある SSD を利用してね という
KB と Docs です。※ ワークアラウンドも説明があるが超面倒で結局 SSD が必要。
※ vSAN の場合、Boot デバイスと vSAN ドライブが同じコントローラを利用する事が非推奨なので、専用の M.2 SSD Boot デバイスなどを利用する事が強く推奨され、現在の vSAN Ready Node はほぼその構成になっています。
vLCM の強化
- デポ編集機能 : パッチとアップデートのリコールのサポート、およびデポオブジェクトの削除
- vSAN HCL を使用した vSAN ドライブのファームウェアレベルのチェック
※ VxRail の様なアプライアンス製品ではドライブファームウェアのメンテナンスも自動化されていましたが、vLCM でも vSAN HCL に基づく確認とメンテナンスが出来るようになるようです - 2Node vSAN や ストレッチクラスタ環境のサポート
- vSAN Witness の vLCM サポート
vCenter バージョンアップ時のダウンタイムの最小化
vCenter Server Appliance のメジャーバージョンアップ時は、新規に新しい vCSA がデプロイされ、既存 vCenter
からデータがコピーされた後にサービスが切り替わる仕組みを持っていましたが、
vCenter 7.0u3 では新たにパッチレベルのバージョンアップでのこの手法が選べるようになる様です(API 操作が必要で WebUI
からのパッチ適用は従来通りと思われる)。
一時的にですが vCenter を1つ余計に展開するのでリソースの確保が必要ですが、メリットは vCenter バージョンアップ時のダウンタイムを縮小できる事、大規模環境ではこの効果が大きそうです。
既存 vCenter は一定期間保持されたのちに削除されるとの事なので、バージョンアップ時のエラーによるフェイルバックが容易になる可能性はあります(詳細はリリース後の Docs や KB で要確認)。
VMware Cloud Foundation 等の様に SDDC Manager から API 連携してメンテナンスする環境ではこれらが標準になるのでしょうか。
NSX-T Manager の vCenter プラグインのサポート
vSphere Clinet の中で NSX ネットワーク設定が行えるように vCenter プラグインが追加される様です。 vROps の vCenter プラグインと同様に vCenter の中で出来る事に機能制限はあると思いますが、今まで別画面を立ち上げていたところが SSO 連携した vSphere Client の中で基本操作が完結できるようになるのは大きなメリットになりそうです。
メンテナンスモードの時の再試行や DRS による移行との最適化
併せて DRS が Large VM や I/O の高いモンスター VM などと呼ばれる移動が難しいワークロードを追跡して適切に移行がコントロールされる様です。
リソースマネージメント、仮想化基盤の拡張・強化関連
Persistent Memory 関連の強化
以下の様な Persistent Memory の統計・パフォーマンスの強化が図られる様です。
- vSphere Memory Monitoring and Remediation (vMMR)
- Performance monitor で PMEM、DRAM のメトリックの強化
- Persistent Memory メモリモードのメトリック
- PMEM 関連のアラート機能
- PMEM 関連のホスト、VM レベルのカウンター
NVMe-oF TCP/IP Support のサポート
ストレージネットワークとして NVMe-oF TCP/IP が追加される様で、FC-HBA や RDMA アダプタ以外に標準の Ethernet カードの利用がサポートされるようになります。これについては個別の記事も公開されていました。詳細は以下の発表参照。
- Announcing NVMe/TCP Support with VMware vSphere 7 Update 3
https://blogs.vmware.com/vsphere/2021/09/announcing-nvme-tcp-support-vmware-vsphere-7-update-3.html
現時点では Dell の PowerStore 等の外部ストレージとの接続のサポートとなりますが、
今後この機能が vSAN にも実装されてくると非常に高速・高可用性な vSAN
データストア基盤が出来上がるのではないかと期待しています(Optane 3DxP SSD 積んだ超高速 vSAN ノードや HCI Mesh 等との相性も良さそう)
その他ストレージ系の強化
- VMFS-6 & NFS Scale to 128 Nodes
- VMFS-6 Affinity Enhancements
- Improved OSFS vVol Performance
- Batch Snapshots on vVols
vSphere Cluster Services の強化、改善
- vCLS VMのデータストアの選択
- vCLS VM の Hardening Guide に基づく設定
- vCLS VM のホストアフィニティ
- 自動展開される vCLS VM の VM 名は UUID を用いた一意なものに変更(従来の (1) (2)...(22) などのカッコ括りの排除)
Guest OS & Workloads
- Cloud-Init のフルサポート
- Guest Data Publisher 機能
VMware Tools を通して取得する GuestInfo と同様に ゲストから ESXi により多くの分析データを連携する事が出来るようです。 - UEFI 2.4 のサポート
- AMD 環境での VBS (Virtualization Based Security) のサポート
Precision Time Protocol のサポート強化
- ESXi とゲスト OS へ柔軟な PTP の配布
- PTP は NTP へのフォールバックをサポート
- vmware.pool.ntp.org
- VMware Tools Time Provider による簡易に正確な時刻設定
vSphere Management / API 関連
- PowerCLI を介した vSphere RESTAPI へのダイレクトアクセス
- 新しい Powershell ベースの証明書管理コマンドレット
- PowerCLI vSAN の追加サポート
Datastore provider、Copy-DatastoreItem improvements など
VMWorld 2021 で何等か発表があるのかも?
AI/ML と開発者向けインフラ関連
vSphere with Tanzu Kubernetes 関連
- GPU-enabled Kubernetes Clusters (VM Service with GPU) のサポート
- Kubernetes Cluster 合理化されたネットワークセットアップ
- ネットワーク構成のDHCPサポート、これは Core Tech Zone の記事にもありますが非常に便利になりそうです。
- vSphere with Tanzu におけるエラーメッセージの改善
AI/ML 関連
- NVIDIA AI Enterprise Suite (NVAIE) ソリューション
NVIDIA AI Enterprise Suite は PyTorch、TensorFlow、TensorRT、RAPIDS、Triton Inference Serverなどのフレームワークとツールが含まれ、デプロイおよび管理できるコンテナーとしてパッケージ化されるソリューションで、Tanuz の GPU サポートもここに関連してくる様です、が詳しいところはよく分からないのでもう少し調べます。 - Bitfusion 4.0 の対応
セキュリティとコンプライアンス関連
ランサムウェアに関連する情報、対策ガイドライン
- Ransomware Resource Center
https://core.vmware.com/ransomware - Security Configuration Guides
for VMware vSphere
https://core.vmware.com/security-configuration-guide
セキュリティ・脆弱性に関する VMSA : VMware Security Advisories <https://www.vmware.com/security/advisories.html>や 従来の Hardening Guide <https://www.vmware.com/security/hardening-guides.html> と合わせて VMware 環境のセキュリティ強化のための Tips が纏まったサイトが公開されました
vSphere 基盤のセキュリティガイド、パッチ適用ポリシーについてもガイドがあるのでぜひご確認だください。
vSAN 7.0u3 で気になるアップデート
vSAN 関連も今回は大きな機能改善が多数、特に 2Node vSAN 構成でも PFTT と SFTT を利用したシングルノード内でさらにデータの冗長化を設定可能になる機能や、ストレッチクラスタ環境などにおいて、片方のサイト(AZ) が Witness サイトが同時に落ちた際に残ったサイトのみでも VM サービスを継続する事が可能になるなど、可用性の向上に重点がある様です、
また、今まで癖のあるクラスタシャットダウン運用が必要だった vSAN クラスタのノード全シャットダウン時の運用も UI で実装され、vCLS や Reboot Helper などの連携も自動で操作してくれるようになります。
Simplified Operations (操作の簡素化)
vSAN クラスタシャットダウンの簡素化 (プリチェックと各種自動処理)
- vSAN クラスタの全ノードシャットダウン前のプリチェック
- 問題があった場合の検証と操作ガイドの提示
- 一連のワークフローシーケンスの実行調整
- vCLS のシャットダウン連携 (恐らく Retreat Mode 連携してくれるはず)
- 起動時の自動復旧
機能強化リクエストについて
(送られたフィードバックやリクエスト vSphere Ideas Aha Portal に登録され VMware 社員が投票しあいます。要望が多いと実装確度も高まります)
Skyline Healthチェックの相関性
vSAN 7.0u3 の新機能は、あるヘルスチェックと別のヘルスチェックの関係を理解して、迅速かつ効果的なトラブルシューティングが行えるように相関関係を説明してくれる強化が入りました。
VM I/O Trip Analyzer
Network Health Check
vLCM 連携の強化
- vLCM の 2Node vSAN / ストレッチクラスタ サポート
- vSAN ドライブのファームウェアレベルのチェックをサポート
- vSAN Witness Appliance のサポート
- NVMe ストレージデバイスのファームウェアチェック、メンテナンスのサポート
Platform Enhancements (プラットフォームとしての機能強化)
2 Node vSAN 構成での Nested Fault Domain
この構成では1台のホスト障害時において、残ったホストで稼働中の VM はデータがホスト内ディスクグループ間でミラー化されるため、ディスク障害にもさらに耐えられる構成が可能になります。
サイトダウン時の保護
vSphere NKP を利用した vSAN 暗号化時の TPM2.0 モジュールを利用した Key Persistence のサポート
vSAN File Shares のセキュリティ強化
Delive Developer Ready Infrastructure
- RWM volumes w/ Tanzu
vSAN File Service から vSphere with Tanzu に対して Read-Write-Many ボリュームの提供がサポート - k8s w/ stretched clusters
vSAN ストレッチクラスタ環境で Vanilla Kubernetes の利用がサポートされます(本バージョンでは Block-Base の RWO Persistent Volumes のみがサポートされ、File-Base の RWM Persistent Volumesはサポートされません) - Cloud Native Solutions の Partner Operator updates
Cloudian や MINIO といったパートナーソリューションの認定が、vCenter、vSphere、vSANの各バージョンのメンテナンスに紐づかない形で提供されるようになるとの事。
- vSphere 7.0 U3 contains two great vCLS enhancements
https://www.yellow-bricks.com/2021/09/28/vsphere-7-0-u3-contains-two-great-vcls-enhancements/ - vSAN 7.0 U3 feature overview
https://www.yellow-bricks.com/2021/09/28/vsan-7-0-u3-feature-overview/ - vSAN 7.0 u3: IO Trip Analyzer
https://www.yellow-bricks.com/2021/09/28/vsan-7-0-u3-io-trip-analyzer/
vSphere 7.0 update3 のリリースノート等で気付いた機能強化他
Advanced Cross vCenter Cloning
- VMware vCenter Server 7.0 Update 3 リリース ノート
https://docs.vmware.com/jp/VMware-vSphere/7.0/rn/vsphere-vcenter-server-703-release-notes.html
9,000 バイトを超える MTU サイズ
"vCenter Server 7.0 Update 3 では、より大きなパケット サイズのスイッチをサポートするために、vSphere Distributed Switch の最大転送ユニット (MTU) のサイズを最大で 9,190 バイトに設定できます。"
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